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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第188回 そうそう、それでいいんだよ

ことほど左様に、
自分の『上司力』には自信がありませんし、
やっぱり、人を使っていくというのは
(いろんな価値観の人がいて、
豊かな個性を発揮することがすばらしいと
個人的には思っているので、
組織の枠の中に
はめようとせざるを得ないというのは余計に)
難しい、とおもってしまいます。

以前、戸田ゼミの先輩が気にかけて
「門間さん、あなたは独立は考えていないの?」
と声をかけてくれたことがあります。

「考えていないこともないんですけれど、、、。
人を使うのは難しいから、
人を使わずにやる方向で考えてみたいんですけど、
やっぱり一人だとできることに限界がありますね。
自分ひとりで立ち上げて、何とかなるかな、、、
とも思うんですがね。考え中です。」
と微妙に歯切れの悪い答えを返しました。

そうしたら、思いがけない返答が。

「そうそう、それでいいんだよ。
はじめから人を雇って、
自分は社長だーってふんぞり返って、
っていうことを考える起業は、
ろくなことにならない。

あなたみたいに、はじめは自分で何でもやろう、
って考えるくらいが、ちょうどいいの。

それで、
自分で細かいことまで全部やっていくうちにね、
きっと上手くいってお客さん増えるから。

そうしたら、初めて、自分の手の回らない部分を
手伝ってくれる人を使うのよ。

そうしたら、請け負える仕事の範囲も広がって、
軌道に乗ってくるから。

はじめから従業員何人で……なんて
考えを持たないほうがいいね。」

とニコニコしながらアドバイスをくれました。


なんとなく、人を使う勇気が出ないなんて
意気地が無いというか、発想が狭いというか、
そんなことじゃダメだ、思い切らなきゃ、
なんて批判されるのかなーとおもって
自分の考えに自信が持てないところだったので、
「そうそう、それでいいんだよ」
と認めてもらえて、
なんだかとっても心がほころんだ言葉でした。

2006/02/27