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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)
第185回 給料袋を受け取るときに
おかげさまで、で思い出したことがあります。
給料袋、いえ、あの、今の時代で言うと
給料明細袋、ですね、を受け取るときです。
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私は、これを受け取るとき、
一応両手で受け取り、軽く頭を下げて
ありがとうございます、と言って受け取ります。
言葉には出さないけれど
「今月も、働く環境を提供してくださって、
至らない私をご支援くださって、
おかげさまで無事相勤めることができました。
ありがたく、ちょうだいします。
また、今後ともよろしくご指導ご鞭撻ください。」
という気持ちをこめて、です。
袋を渡してくれる人は、誰であろうと
給料支払い者(たいてい社長)の代理人です。
お給料を今月も無事いただけることで、
私の生活が成り立っているのです。
あの、一瞬の目礼に
そういう意味をこめているつもりです。
幸いにも上司には気持ちが伝わっているようです。
●
逆に、自分が上司で、
部下に給料明細袋を渡していたときにも
「今月も活躍してくれてありがとう。
あなたの貢献のおかげで、助かっていますよ。」
という気持ちをこめて、
一人ひとりに手渡していました。
受け取る側はまちまちで
やはり両手で目礼しながら受け取る人もいる一方、
中には片手でひょいっと受ける人もいるし、
あぁ、そこに置いておいてください、
と放置の人もいます。
●
育ってきた環境も違うし、
物事の考え方も人それぞれでいいと思うし、
自分のやり方が
必ずしも正しいと主張するつもりはありません。
もちろん、こういうのは例えば上司が
「キミ、キミ、こういうものはこういう風に
受け取るものだよ」なんて
指導する筋合いのものではないですね。
ただ、「ふーん、キミってそういう人なんだ」
と思われるだけです。良くも悪くも。
私が、両手で目礼して受け取るのを見て
何か感じることがあったのか、
同じように受け取るようになった子もいます。
「くすっ。おっかしーい。
なにかしこまって頭下げてるんですか?
そこにお金入ってるわけでもないし、
部長に頭下げてもしょうがないのに(笑)」
と笑った子もいます。
私は勝手に、心の中で
(親御さんが働くことやお金を得ることの尊さを
教えることのない家庭だったのかな)とか
(それにしても二十歳過ぎれば、
自分の言動&心の有り様は、本人の責任よね)とか
自分の物差しでその人を計ろうとしてしまうことも、
正直、ありますね。
2006/02/24