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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)
第175回 こんなところに
何か探し物をしていて
「あー、あった!!こんなところにあった!!!」
などといいますよね。
わたしはこの言葉に
ネガティブなイメージを持っていなかったのですが、
ある方に教えていただいてから、
用心して使うようになりました。
その方(Hさん)の思い出話。
結婚当初。ご主人に用があって、
さっきからずっとご主人を探していました。
店にもいない、2階にもいない、
3階にもいない、事務所かな、いない。。。
いい加減探してもいないので、
あきらめて買い物にでも行こうかと
外に出たとたん、
お隣の店先で世間話に興じてる当のご主人が。
「あっ、いた!
あなた、こんなところにいたの。
ずっと探し回っていたのよ。」
ほっとしてご主人に声をかけたとたん、
隣家の主からカミナリが。
「こんなところでわるかったな!!
二度とオレの前に顔を出さないでくれ!!」
ぴしゃりと締め出されてしまいました。
もちろん、Hさんは
こんな意外なところに、
という意味で言ったのです。
でも隣家の主は
こんなむさくるしいところに、
こんなひどいところに、
こんな変なところに、
という意味でとらえたのです。
新婚で、
ただでさえ慣れない生活に
心細くなっていたHさんには
隣の主が鬼のように見えた、
本当に怖かった、と言っていました。
あげあし取り、とも思えてしまいますが、
実際に隣家の主は不愉快になったのですから、
言葉って難しいな、と思いました。
その後Hさんがどういう風に
隣家の主と関係修復をしたのか
細かいことは聞きそびれましたが、
(もちろん、わびたそうです)
何年もたった今では
そんな行き違いがあったなんて
聞かなきゃ気がつかない感じには
お付き合いをしていました。
そんなつもりで言ったんじゃないの、
とこちらが思っていても
相手がどんなつもりで受け取るか
わからないから。
だからこそ、気がついたことは
気をつけていかなきゃいけませんね。
2006/02/14