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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第11回 おっちゃん、かっこえぇ!!

自分といままでかかわりを持ってくれた人たちからの
影響ははかりしれないものです。

ときはさかのぼります。
まだ、10代だった自分は、近所のおじさんたち
(幼馴染で、親友同士)の会話を耳にしました。

A氏「バブルがはじけて、
  どこも景気が悪くて困っちゃうね。
  Bさんの商売(飲食業)も、楽じゃないでしょ?」

B氏「うん、たしかに楽じゃないね。
  正直、もうたたむしかないかと思うこともあるよ。
  でもね、僕は思うんだけど、食べるというのは、
  人類最後の楽しみになりえると思うんだよね。
  たとえ、宇宙食みたいなの一かけら食べれば
  栄養が足りますとか、サプリメントだけで
  健康が保てます、とかいう時代が来ても、
  食べる楽しみ、人と語らい合いながら
  おいしいものを食べる喜びっていうのは、
  人が生きていく限り、失えないものだと思うんだ。
  だから、バブルのときみたいに、
  派手にお金を使うわけじゃないけど、
  おいしいものを楽しんで食べてもらいたいって
  おもって、真面目にやっていれば、
  お客さんは来てくれると思うんだよね。
  つぶれるまでは、何とかやっていこうと思うんだ。」

おっちゃん、かっこえぇ!!と感激しました。
自分の職業に誇りと信念を持っている。
だから、状況が悪くなってもブレずに邁進できる。

自分もおっちゃんになったらそんなカッコいいこと
言える仕事についていられるか?

そしてB氏のお店は、いまもつぶれずにたたまずに
同じところにあります。

2005/09/03