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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)
第103回 宝の山
対して、10年以上引越しをしていない
友人の家は、宝の山です。
以前使っていた二段ベッドは、
はじめ下の段が荷物置き場になって寝られなくなり、
次第に「眠いのにはしごを登っていられない」と
上の段も使わなくなりました。
ベッドの脇は、趣味の雑誌が何年分も
山積みになっていますが、「いつかこの中の
どれかを読み直したくなるかもしれないから」
処分できません。
山が高くなって崩壊の恐れがでると
その横に山を構築しますから、どんどん
床面積が狭くなります。
狭くなった床は
「眠いときにそこらへんで丸くなる」
ための貴重なスペース。
雑誌の山を乗り越えて
クロゼットまでたどり着くのは
日常的には無理なので、
買ったものは「とりあえず」
ベッドの上段に放り投げておきます。
「そういえば、以前気に入って買った
○○は、どう?使ってる?」と聞くと
「うーん、、、たぶん、、、どこかにある」
「ベッドの上だと思うけど、、、近づけない」
という具合です。
たぶん、友人の家だって、畳一枚あたり
数千円〜1万円弱の家賃がかかっているはずです。
毎月何万円分・年間何十万円分、
宝の山置き場に家賃を費やして、
自分の動けるスペースはその何分の1なのです。
友人にとっては『いつか欲しいと思ったら、
探せばたぶん見つかる安心感』が
それだけのコストに見合うということです。
2005/12/04