香港にくることになったのは
「業務拡大のため、人材育成が追いついていないよ〜。
だれか即戦力になる人いないかな。」と探していた今の会社に、
ある方が、「ちょうどいい人がいるよ」と
紹介してくれたことがきっかけでした。

それまで数年間勤めていた会社で、
無闇矢鱈と働きすぎてしまった私は、
環境を変える決心をしていました。
ただし、身体も心も疲れすぎて、次に何をするか、
考える思考力すらも失われていました。

退職が決まって、数カ月がかりで次の担当者に引継ぎをし、
負担が減り、薄紙をはがすように楽になっていきましたが、
それでも時間をかけて痛めつけてきたものが、
すぐに元気を取り戻すわけにはいきません。

退職後は、元気が出るまでしばらくボーっとしようか。
そういう贅沢もありじゃないかな。
それとも、子供のころからあこがれていた、留学でもしようか。
お金と英語力が足りなくて実現しなかったけど、
今なら何とかなるかもしれない。

おなじ、「仕事の場から距離を置く」ということでも、
日本にいながらするよりは、
海外でするほうが、響きがいいじゃない？
それに、ボーっとしてするべき事がないよりは、
なにかを学ぶという、とりあえずするべきことがある状態のほうが、
心に張りができて、元気を取り戻すにはよさそう。

それでは、ということで留学準備をしていたところに、
それまでの私をよく見てくれていた人が
「もしキミが興味あるなら、こんな話があってね。
キミは海外生活したいと思っているんじゃない？
だったら、月給もらいながら海外暮らしできる話は、いいと思うよ。」
と話を持ちかけてくれたのです。

香港へのご縁は、自分以外の人が持ってきてくれたということです。

2005/08/31