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夫は日本、私は上海(伊勢利子)
第9回 あきらめずに考える力と勇気!
「マザーグースと三匹の子豚たち」の本は
もう、何十年も前に読んだので、記憶は
けっこうあやふやなのですが・・・
でも、いまでもしっかりと覚えているところがあります。
子育て真っ最中の私。夫や家族の支えがあって当たり前!
もっと、私を助けてよ!!と思っていた当時の
私をびっくり仰天させ、えぇ~!同じ人類とは思えない!
と思わせたところとは?
実は、桐島洋子さんの子どもの父親はアメリカ人。
でも、二人は結婚していないので、日本で子どもを産むと
子どもたちには、アメリカ国籍を取る権利が生まれません。
アメリカでは、アメリカ人でなくても
その子がアメリカで産まれればアメリカ人になれます。
とにかく、アメリカの領土で産まれた子どもは
両親がアメリカ人でなくても20歳になったら、
アメリカ国籍を取るかどうかの選択権がもらえるわけです。
ということで、彼女は子どもたちにアメリカ人、つまり父親の
国の国民になる権利をどうしても与えたかった
いやその可能性を残しておいてあげたかったのでしょう。
でも、女手一つで育てなければならないから
日本での仕事をどうしても手放すわけにはいかない!
もちろん、アメリカに移住するお金もない!
その当時(1960年ごろ)の日本の職場というのは
女性が結婚すると必ず辞めなければならない
というところがほとんどだったそうです。
いまでは、考えられませんが・・・
そんな中で、結婚もしないで、女性が子どもを産み育てる
ということは、ちょっと想像するだけでも
私には、絶対に無理、無理・・・って思ってしまいます。
彼女の目の前には、私みたいな弱虫には
とうてい乗り越えることのできない
いくつもの困難が立ちはだかっているのですが
彼女は人並みはずれた頭の良さと
まれに見るすごーい勇気の持ち主で
どの困難にも果敢に挑戦していくのです。
まず、妊娠がわかると出勤するときの
服装はブカブカの洋服にする。そうすると
いつもブカブカファッションの女性ということで
妊娠7~8ヶ月ごろまでは、職場の人は
だれも彼女が妊娠中だとは気がつかないだろう。
ほんと!なんと頭がいいこと!!
そうして出産の時期を迎えるまでに
彼女は子どもをどこで産もうか、どのように育てようか
と作戦を練って、練って、練るわけです。
ついに、だれもが思いつかない方法で出産し
お見事!!20歳になったら日本国籍か
アメリカ国籍かを本人が選べるようにしてしまうのですよ!!
2006/10/05