戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 夫は日本、私は上海(伊勢利子)
夫は日本、私は上海(伊勢利子)
第4回 一世一代の決心
ドイツから帰国後も、のほほぉ~んとした
青春時代をすごしていた私。
「ほんまに、意思の弱いやっちゃ!」
「ここで、しっかりせなあかんやろ!」
と当時の私にいまごろゲキを飛ばしている
いまの私ですが・・・いまさら遅すぎ・・・
その後、まもなく「えいやっ!」となにも考えずに
一世一代の決心をして、京都から小松へと
移り住むことになりました。この私の「えいやっ!」が
これからも物議をかもし出すことになるとは・・・
他人から見れば、すごく大変なことを
すぐ「えいやっ!」と決めて、実行してしまうのですから、
私の周りの人は、まったくたまったものではありません!
きっと、夫がいちばん目をパチクリしているでしょうね。
「えいやっ!」と飛び込んだ新しい生活とは?
住むところは、かなり保守的なところ
義父母との同居、おまけになりわいまでいっしょ!
さらに義母は茶道教授で、毎週何十人ものお弟子さんが
お稽古に通ってくるような環境でした。
まぁ!私の育った家庭とはまったく違うわぁ。
私はこういうやり方でしたいのに・・・
京都とは味付けがぜんぜん違う・・・
なんてことが朝起きてから夜寝るまで
ひっきりなしにおこります。これは困った!
これはなんとか折り合いをつけないとだめだわ!
いったいどうしたら、私は心地よく暮らせるようになるの?
しかし、いまの状況はそう簡単には変わらない。
残された道はただ一つ。私が変わるしかない。
まあ、どうにかこうにか切り抜けられたのは
夫がほんとうに辛抱強く支えてくれたからでしょうね。
しばらくして、ふたりの子どもを授かってからは
親の役目も加わり、自分の時間は
すっかりなくなってしまいました。
女性にとって子どもを育てるということは、
人生のある時期、何もかも忘れて
とにかく夢中になれるものなんですね。
他にこのような経験を味わえるものは
ぜったいにありません。いま思えば
なにもかもが刺激的で楽しい時間でした。
年齢を重ねるごとに、親子関係も変化していきます。
これからもずっと、ずっと私を退屈させずに
心から楽しませてくれることでしょう。
ふたりの子育てにも、私の「えいやっ!」が
登場しますので、どうぞお楽しみに!
2006/09/01