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夫は日本、私は上海(伊勢利子)
第3回 ドイツへの短期留学
今では海外へ行くとか、留学するというのは
そんなに手の届かないものではないですね。
しかし、私の高校時代というと話はまったく別!
私の高校は進学校で1学年10クラスあり
約450人くらいの生徒がいたのですが
留学したのは銀行の頭取の息子たった一人
その当時は、お金持ちのぼんぼんくらいしか
留学できなかたのです。
さて、18歳のとき、とてもラッキーなことに
私はドイツへ短期留学するという機会に恵まれ
ドイツの農家の大家族に、夏休みの間
2ヶ月ほどホームステエイしました。
さあ~て、たいへん!勝手に抱いていた
英語のちょっとだけの自信も初日にみごとに崩れ去り・・・
それは、それは毎日惨めなものでした。
ドイツ語? もちろん、ちんぷんかんぷん!
ホームステエイ先のお母さんも
まったくことばの通じない東洋人の女の子を
どう扱ってよいのやら・・・困り果てていたようです。
でも、毎日時間を見つけては家族が代わる代わる
いろいろなところへ私を連れていってくれ
ことばは通じなくても、相手の思いだけは
十分に、そして痛いほど伝わってきました。
しかし、私はというと、いいたいことはいっぱいあるのに
その十分の一もいえず、もどかしい思いと
家族のやさしい思いに何もお返しできないという
悔しさだけが残ったドイツへの短期留学でした。
このときになんど心に誓ったことか!!
帰国したら、もっと、もっと英語を勉強するぞ~!
そして、ドイツ語しか話せなかったおばあちゃんとも
いっぱい話すためにドイツ語も勉強するぞ~!
はじめての異文化体験はどもれ強烈でしたが、
一つだけしょむないことで、ずっと覚えていること。
それは、ドイツ人はスイカに砂糖をかけてたべること!
日本人は、もし、かけるとしても塩?
さて、帰国後は、そんな誓いも、どこふく風・・・・
私の夢は、またもや何年ものあいだ
すっかり頭の隅に追いやられてしまいました。
2006/08/25