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愛と情熱のファイナンシャル・プランニング(伊佐笑子)
第10回 セカンドライフ
セカンドライフ、と聞いて思いつくのは
「定年後の悠々自適の生活」?
それとも、リンデン・ラボ社の仮想空間を
思い浮かべますか?
おそらく年齢や、今どちらに興味があるか、で
変わってくるのかな、という気がしますが、
若さと渋さの間を揺れるナイスサーティーズな
わたくしとしては、
実はどちらにも興味津々。
しかしすぐにやってみることができるのは
後者のほうだけ。
ということで、日本語版を早速やってみました。
・・・・・。
楽しいのか?コレ。
ゲームでもない、ストーリーもなければ、終わりもない。
ただ、モノを買ったり売ったり、経済活動が可能。
実際に街を歩く自分の分身(?)は、目の大きさからアゴの長さ、
ヒップの肉のつき具合まで事細かに自分で設定できる。
ちなみに私は途中でどうでもよくなった。
仮想空間内での買い物には本当にお金がかかるので
土地を買って投資、なんていうこともできる。
私は日本語版を試したので、おそらく空間内には日本人ばかり
だろうけれど、英語版なんかだったら、世界中の人と
会話したり、友達(あくまで仮想ね)になったりできるわけで。
さらに、殺人なんかもありえないし、分身だから
ぶつかったりすることもないし、痛い思いも無論しない。
席を譲ったりする必要もなければ、気なんか遣わなくてよい。
企業がこぞってセカンドライフ内に出店する理由は、
お金儲けの場所は多ければ多いほうがいいし、
街を歩く分身たちに、CM効果もある。
きっとそのうち空間内と現実をつなげていって
モノ売りの相乗効果を狙ってくるだろう。
それにしても、そんなにみんな
ヒマをもてあましているのかしら?
それとも楽しんで街歩きしているのかしら?
普段からゲームには全く手をつけない私にとっては、
仮想よりゲンジツのほうが
ずっと魅力的で面白いと思ってしまう。
さて、前者のセカンドライフ。
定年後を想像すると、仕事から解放されるワクワクと
金銭面や健康面での不安が入り混じりながらも、
それでも理想的な老後を送りたいと、
誰もが願っていると思う。
世界一周旅行をして、孫と戯れ、
趣味の庭造りにも力をいれ、
近所ともコミュニティーをつくって
ボランティアをしたり・・・。
しかし、思い通りに運ばないのが
ゲンジツ社会の辛いところ。
定年を迎えたら夫或いは妻に急にそっぽを
向かれてしまう可能性もあれば、
孫を目にすることなくこの世を去るかもしれない。
せめてお金の面だけでも思い通りに、と、
保険会社やFPなんかがてぐすねをひいて待っている。
若者が仮想空間に逃げ込む気持ちもわかるような気がする!?
もしかしたら、セカンドライフ(仮想空間)を
闊歩する若者は、将来、現実となるセカンドライフ(老後)
ですら、仮想空間を生きるかのように過ごすのかもしれない。
凶悪犯罪のない、安心な仮想空間は、同時に
法律や秩序、無論、愛もないのである。
それが、理想的なセカンドライフ(老後)であるかどうかは
まだ誰にもわからない。
2007/08/31