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華南で働く(大道寺健)
最終回 今後の中国
今後の中国を考察していく上で、キーワードとなるのが
「人件費の上昇」と「激しい競争」だと思います。
「人件費の上昇」は、中国政府の意向も有り
毎年上がり続けていますし、深せん地区(特区外)でも、
今年最低賃金が580元から700元へと20%上昇しました。
給与の上昇は今後も続くと思われ、企業としても人件費対策は
必須且つ急務の課題となっています。逆に、一般従業員の
立場から見れば、可処分所得が年々増加している状況です。
中国の今後を占う上では、「人件費の上昇」と言う事象が
与える影響について、経営者側と労働者側から考える必要が
あるのではないかと思います。
「激しい競争」は、巨大な市場を見越して世界各国の企業が
中国に参入しています。私のいる華南は、台湾や香港に
近いことから、双方の企業活動が華南経済に大きな影響を
与えています。得てして中国系企業は、儲かる事業がわかると、
砂糖に群がる蟻のように、皆、一斉に参入し、その後は
何も残らないと言った競争が繰り返されがちです。
そして、人民元の上昇や上記事象を鑑みると、今後輸出が
大きな割合を占める企業は苦しくなっていくのではないか、
中国国内向けに生産及び販売をシフトした会社が
生き残っていくのではないかと私は思っています。
甚だ勝手ではございますが、今回をもって私のコラムを
終了させて頂きます。私のコラムをご覧頂いた方々、
また掲載の機会を頂いた戸田先生にお礼を申し上げます。
中国での新年は陰暦のため、中国に住む私にとっては実感の
伴わない年の瀬ではありますが、
日本の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
2006/12/30