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華南で働く(大道寺健)

第22回 中国は世界一?

つい最近、トリノオリンピックが終わったところですが、
去る2004年に、アテネオリンピックが行われたことを
覚えておられるでしょうか。

トリノオリンピックの惨憺たる成績とは違い、日本は
金メダル16個、銀メダル9個、銅メダル12個のすばらしい結果を
残しました。2004年のアテネオリンピックが行われた当時、
私は既に中国で働いていました。

すばらしい日本選手の活躍に、オリンピック中継を
見ようと思ってTVをつけましたが、悲しいかなここは中国。
映るのは中国選手ばかり、当然ですが。

一方、中国選手もアテネオリンピックでは、すばらしい活躍を
したようです。中国は、金メダル32個、銀メダル17個、
銅メダル14個を獲得し、2番目に多い金メダル獲得数だったようです。

中国選手も活躍していたので、アテネオリンピックの時は、
良くオリンピックのことが話題になりました。
中国人スタッフが「跳水」「跳水」と言うの何回も聞いたので
覚えたのですが、

「跳水」は、ある競技名なのですがわかりますか?

水泳の「飛び込み」競技が答えです。

そして、スタッフのオリンピック談義に加わろうと、私が

「昨日の、日本体操団体知ってる?金メダル、金メダル」

「知ってるよ、日本体操は凄かった。だけど、日本良く頑張ってるよね。
あんな小さい国で、人口も少ないのに」

と、はなから日本を小国扱いされたことにかなり愛国心を
刺激されましたが、そこはぐっとこらえて

「中国もたくさんのメダルを取っているようだね」
と水を向けると、

「中国は国も大きいし、人口も多いから、予想された結果よ」と
さも当然のように答え、また

「あの選手が金メダルを取れなかったのは残念だ、あの選手は
よくがんばった」
等々立て板に水のように延々とオリンピック談義が始まります。

オリンピック期間中、オリンピックの話を何回も聞きましたが、
どの話も中国の成績の自慢に終わり、まさに中華思想のオンパレード、
中国は世界一と言外に言っているようでした。

中国は、12億の人口を抱え、世界の人口の約5分の1を
占めているわけですから、活躍するのは当然だろと言いたいところですが。

ちなみに、先日終わったトリノオリンピックの話題は、
スタッフの間で全く出ませんでした。華南という地域性もあるのか、
中国人はほとんど冬季オリンピックには興味を持っていないようです。

そして、2年後の2008年には北京オリンピックが行われます。
中国当局は、唾や痰の禁止、割り込み禁止等、北京での
マナー向上に必至になってるようですが、あと2年で
どこまで改善するのか。

オリンピックともなれば、地方からも多くの人がやって来るでしょうから、
マナー向上キャンペーンも限界があるのではないかと
私は思っています。

中国人選手の活躍は間違いないでしょうが、競技外のマナーも注目です。

2006/03/17