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華南で働く(大道寺健)
第14回 中国正月事情−正月狂騒曲
以前のコラムでも紹介しましたが、中国での正月は、
旧暦で行われます。今年の旧暦の正月(春節)は、
1月29日から始まります。日本でもそうですが、
中国でも日本以上にお正月を大切にします。
日本でも12月は師走で、そわそわ落ち着かない日々を
過ごしますが、中国でも春節の1ヶ月前からそわそわして
落ち着かない感じになります。
中国の公的な機関は、春節の始まる日から
1週間休みとなります。以前の会社では、この休暇に則って
休んでいました。春節の1週間位前から、事務所への電話が
減り始め、2,3日前になるとほとんど開店休業状態になります。
春節の1日前(中国語で、除夕、日本語では大晦日)も
出勤だったのですが、全く何も仕事がなく、スタッフが
午前中で帰って良いのかと言うので、社長には内緒で、
許可したこともありました。私は、この時、会社までバスで
通勤していたのですが、春節が近づくにつれ、人が減っていくので、
春節が近いと言うのは否が応でも意識させられました。
そして、深せんと言う街は、トウ小平による改革開放によって、
作られた新しい街なので、北京人や上海人のように深せん人と
言う人たちはほとんどいません。皆、中国のどこからか
深せんにやって来て、深せんに住んでいる人たちです。
この人たちを外地人(ワイディーレン)と呼んでいます。
そして、春節になるとこの外地人が一斉に故郷を
目指して帰ります。一説には、中国全国で春節の時期に
鉄道を利用して移動する人たちは、約2億人と言われています。
2億人ですよ2億人。日本の人口の2倍、アメリカの人口に
匹敵するような人間がこの時期に鉄道で移動します。
そうです、ここで毎年起きるのが、電車のチケットの争奪戦です。
春節のチケットは、1ヶ月前位から予約できるものではなく、
10日ぐらい前から売り出されるようです。深せんでも
このチケットの販売には、人が殺到するので、体育競技場を
特設会場にして、対応していると言うニュースを見たことがありました。
そして、この売出しを前に、幾日も前から徹夜する人も
いるそうです。また、並んでも必ずしも買えない事があるそうです。
このように切符を入手するには非常に大変な事のようです。
そして、ここで暗躍するのがチケット取得の代行です。
チケット1枚に尽き、数十元から100元程度の手数料を
取ってチケットの取得を代行します。
私の同僚も、去年チケットを取ってもらったときは、
1枚100元だったけど、今年は、1枚40元だから、
まだ良い方と言ってました。
この時期の中国人スタッフの話題は、故郷に戻るのか、
戻らないのか。戻る場合はチケットが取れたか否かが
日常の会話になります。
春節まで約10日。電車のチケットの取得はこれから本番を迎えます。
2006/01/19