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華南で働く(大道寺健)
第8回 就職活動記 5
感触の良くなかったB社の面談の後、日を改めて、別の
C社の登録に行きました。このC社は香港から
進出してきた会社で、香港と上海に拠点を設けている会社でした。
広告から受けた印象が良かったので登録する事にしました。
C社はとてもきれいなビルの一室にあり、それだけでも身が
引き締まる思いでした。そして、事務所のベルを鳴らし、
応対してくれた方の対応も良く、事務所の雰囲気も
引き締まったものを感じ、更に気合が入りました。
さて、登録の形式は一番最初に話したA社と同じです。
最初に登録票に記入し、中国語のテスト、そして最後に面談です。
この時、中国のテストをしてくれた女性が美しい人でした。
いつもより力を入れて彼女の中国語を聞き入ったのは
言うまでもありません。後から聞いたのですが、
このような就職斡旋会社には、中国人も登録に来ます。
当然の事ですが、斡旋会社は一般の会社に紹介する前に、
登録者と接する事ができます。
よって、良い人材がいれば斡旋会社が
先に良い人材にオファーし、採用してしまうと言う事を聞きました。
中国語のテストをしてくれた女性もそのような人材と言う事でした。
そして、危ういながらも何とか、中国語のテストをこなし、面談となりました。
面談してくださった方は、なぜかこの上海事務所の所長でした。
普段は、日本人の女性が面談をされるとのことです。彼は、
私と同い年で、中国に来る前は、日本で同じ業界の大手の
会社で働いていたと言われていました。そして、日本で
働いている時、会社に何度も中国に進出するべきだと
言っていたそうですが、会社が進出の方針を出さなかったので、
会社に見切りをつけて、中国に来たと言われていました。
そして、その所長さんが私の経歴を話してくださいと
言われたので、私は大学卒業から今までの経歴を述べました。
そして所長さんは、私の履歴に対して、
「おかしなところはありませんよ。一つ一つの行動に対して
目的があり、筋の通った経歴です」
といわれました。その言葉に対して、私はまたひとつ安心したのでした。
その所長さんとは、同級生だったこともあり、話題がかみ合い、
色々な事を話しました。私のその時の状況、将来の展開、
目標、なぜ中国に来たのか等々。
私が中国に渡った理由の一つに、中国の発展は
著しくその中に身を投じれば、成功する機会も多いのではないか
と言う理由があります。所長さんも中国に来た理由は、
基本的に同じだったようで意気投合したものを感じました。
やはり、中国に来る人はチャイニーズドリームを求めて来るんですね。
そして、面談の最後に所長さんから思いも寄らない言葉をかけられたのでした。
2005/12/21