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華南で働く(大道寺健)

第2回 中国での就職事情

前回は私の中国に来てからの略歴を紹介しましたが、
これから数回に渡って、私の中国での就職活動を
書いていきたいと思います。

その前に、中国の労働事情について。一般的に、
工場で働く工員の給与は、
月額で1千元前後(1万4千日本円)、
課長や部長クラスになると、
その人の能力によって判断されるので、金額はバラバラですが、
数千元はもらっていると思います。

私が中国人を面接した中で、一番、
希望給与金額が高かったのは、
1万2千元(16万8千円)でした。その人は、
欧米系の会社に勤めていた人で、英語もペラペラ、
加えて中国の公認会計士の
資格を持っている方でした。

この希望金額を聞いて、欧米系の給与は、
本当に高いのだと言うことを
痛切に感じたのを覚えています。

対して、中国で働く日本人ですが、
2種類に大別されます。日本本社からの命令で、
中国勤務を命ぜられた駐在員の方たち、
もう一つは、自らの意思で中国で働いている、
現地採用と言われる人たち。私も当然、後者に入ります。

駐在員の方は、中国に来ると一般的に
非常にリッチな生活を送れるようです。
なぜなら、日本勤務時の給与に加えて、
海外手当、家賃全額補助、帰国費用補助、
家族を伴って赴任された方は、
子供の学費補助等々が支給されるようです。

まして、中国の物価水準は日本の数分の一ですから、
何をかいわんやです。聞いたところによると、自ら会社に
中国転勤を申し出て、中国勤務の間に、
日本のマイホームの借金を完済された人もいるとか。

一方の、現地採用は、駐在員と比べると雲泥の差です。
一般的に、上海の華東地区は、1万元(14万円)、
私が住む華南地区は1万3千元〜1万5千元(18万円〜20万円)
前後が相場になっています。

これは、日本から中国に働きに来る人は、私もそうでしたが
まず上海の華東地区に行く方がほとんどですので、華東地区は、
会社有利の状況で、給与額も低下傾向にあるようです。

対して、華南地区は、香港の影響に引きずられて、一般的に給与が
高めにあると聞いたことがあります。また、
この間人材紹介のエージェントの方も、
日本人は皆、華東地区を希望して、華南地区にはなかなか人が
集まらないと言われていました。よって、華南地区では、
優れた能力や技能を持つ人は、引き合いが多いようです。

中国でも華南と華東では、多くの違いがあります。

2005/11/27