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夢の上海(チャイひめ)

第49回 信仰を持つ

目標を探して、多くの人と話をして、多くの本を読んだ私です。
その中で様々な素敵な出会いと変化がありました。

中国人女性作家、衛慧(ウェイ・フイ/WEI・HUI)に会う。
憧れだった衛慧を交えてのファンイベントに、翻訳家の方のご好意で参加。
実際に会った衛慧は、繊細でスピリチュアルな人でした。

禅の世界に傾倒している彼女(最新作のタイトルは「我的禅」)は、
毎日ヨガと瞑想を欠かさず、静かでシンプルでクリアな生活を送っています。
そんな彼女はファンから「師太(シータイ)」と呼ばれています。
その意味は、「何事も超越している老師のような人」。

京セラフィロソフィーと出会う。
私の会社は京セラと大きな取引がありますが、
京セラの社員の方は皆、さわやかにスマートに仕事をこなします。
他のどんな会社とも違い、私は驚きました。

その違いは、京セラ創始者の稲盛会長の作り上げた京セラ哲学にありました。
人生の意義は徳を積むこと。人(お客様、取引先)から尊敬される自分を目指せ。
稲盛会長の著書、『生き方』『敬天愛人』なども読み、
京都賞など稲盛財団の活動、得度してからの歩みにも非常に感動しました。

日本の心を思う。
外国に出た人は、故郷をよりいっそう愛する気持ちが強くなるものですが、
私も御多分にもれず、純粋な愛国心が出てきました。
日本的なものを求めて、たくさんの本を読みました。

源氏物語や百人一首などの古典に触れ、
「菊と刀」や「葉隠」などから日本の武士道について考え、
吉川英治、山岡荘八、井上靖、池波正太郎などの時代小説や、
大河ドラマなどから日本の心を考えていきました。

民俗学者の菅田正昭氏の著書に感銘を受ける。
日本の心を考えたとき、民俗学に気持ちが向いていくのは自然な流れ。
加えて私には、大学で比較文化学科に在籍、民俗学の下地がありました。

そんな中、『言霊(ことたま)の宇宙(あま)へ』(菅田正昭著、たちばな出版、H6年)
という本を読んで、強い衝撃を受けました。
言葉にも神が宿るという考え方は、万物に神が宿ると考える、
日本独特の考え方で、その根底には八百万の神を敬う気持ちがあります。
つまり日本人の心の奥底には、古神道の考え方があるわけです。

高校・大学での弓道部時代を思い出す。
現代の競技弓道は神道にのっとった競技。
どの学校、どの道場にも必ず神棚があって、練習を始める前と練習を終えたあとには、
全員で正座をして、目を閉じて静かな時間を過ごしたあと、
二礼二拍手一礼の神道式礼拝を必ず行います。

あのときの自分は、まさに「明鏡止水」、穏やかで凜とした気持ちだったのでは・・・。

「気」を信じるようになる。
太極拳、気功、風水を信じ、生活に取り入れている中国人。
目には見えないものですが、だんだん信じるようになってきました。
「見えないからといって存在しないとは限らない」、これはアインシュタインの言葉。

老荘思想「道」について考える。
道。みち。タオ。
終わりのない探求、一生修行、日々の生活での実践、それが道。

弓道は、厳しかったけど、楽しかった。
弓道部時代は、自分が一番成長した時期でもあります。

弓道は弓の道。 神道は神の道・・・。

このように、いろいろな考えの積み重ねの結果、
私は家に天照大御神の神棚をお迎えし、古神道を実践していくことを決めたのです。

気がつけば、経営者やスポーツ選手、芸術家を見ても、信仰を持っている人は強い。
考えがブレないから、強くなれます。

目標を探しておよそ2年後、私がたどりついたのはなんと「信仰の道」でした。


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2006/12/29