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夢の上海(チャイひめ)
第44回 オノゴロ島と原風景
オノゴロ島(淤能碁呂島)は、遠い神代の時代、
日本で一番最初にできたと古事記に伝わる島です。
イザナギとイザナミの神が、天の沼矛で国生みをし、
一番最初にできたのがオノゴロ島という島だそうです。
オノゴロ島は、どの島のことなのか、
はたまた実在しない島なのかは分かっていません。
オノゴロ島の次に作られた島が淡路島で、
さらにその次に作られたのが四国であることから、
瀬戸内海のいずれかの島である可能性が高いと言われています。
愛媛出身の私としては、そうだったら素敵だなと思っています。
人は故郷を離れて初めて、自分の心の奥の原風景に気付くもの。
私は故郷の四国を離れ、日本からも離れて、自分の原風景に気付きました。
穏やかな波に、暖かな日差しが照ってキラキラと輝き、
海にはいくつもの小島が点在しています。
遠くの島々は霞がかってぼんやりして、神々の島々というようなイメージ。
日本に帰って、「帰ってきたんだな」と心が一番落ち着くのは
穏やかな瀬戸内の海を見たときです。
別に海辺で育ったわけではないのに、不思議なことなのですが。
すごく穏やかで、魂がホッとするような、懐かしい風景。
瀬戸内の海は、私の原風景であるとともに、
オノゴロ島の海であり、日本民族の原風景でもあると考えると、
日本的霊性と感応してそう感じるのも、不思議ではありません。
浙江省烏鎮出身の作家、茅盾(ぼう・じゅん/mao dun)の生家。魯迅と親交が深く、後継者とも言われていました。1927年頃には武漢政府のもとで宣伝活動に従事していましたが、国民党と共産党分裂後、作家活動を開始しました。国民党の圧力により、日本へ2年亡命していたこともありました。生家では多くの展示物から彼の足跡をたどることができます。
2006/12/13