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夢の上海(チャイひめ)
第35回 日本の象徴 富士山
中国のいいところは、ドラマや映画のDVDが安価に手に入ること。
NHKの大河ドラマシリーズのDVDも中国で販売されています。
日本史好きのチャイひめにとっては嬉しい限り。
今年だけでも、昨年の大河ドラマの『義経』、
97年の中村橋之助さん主演の『毛利元就』を見ました。
どちらもすっごく面白かったです。
さて、今チャイひめがハマって見ているのは
88年中井貴一さん主演の『武田信玄』。
大河ドラマでは、ドラマ本編が始まる前に解説を挟むことも多いのですが
先ほどみた回のドラマの解説では、富士山と信玄の関係について解説していました。
優美な富士山の映像とともに流れるナレーションが良かった。
「この富士は信玄が目指した富士である。あなたは富士を見て何を思うか?」
富士山は古来より霊峰・霊山と考えられてきました。
その完璧に美しい姿に人々は目に見えぬパワーを感じるのです。
美しい富士山を見て、何も感じない人はいないでしょう。
私は短い学生時代を富士山の見える山梨県都留(つる)市というところで過ごしました。
滑り止めで受けた大学だったので、当初はおもしろくない気持ちもありましたが、
住めば都で、山梨の人は暖かいし、学生生活も次第に面白くなっていきました。
その理由の一つは「富士山の見えるところで暮らした」ことでしょう。
部活の仲間で、富士五湖へドライブによく行きました。
何度行っても飽きなかったのは、五つの湖それぞれに違った趣があることと、
季節によって富士山そのものも、湖面も、周りの木々も様子を変えるからです。
富士五湖とは、河口湖、山中湖、本栖湖、精進湖、西湖の五つの湖です。
都内から行きやすいこともあり、観光施設が多いこともあって
河口湖や山中湖に行ったことのある人は多いと思います。
どこも綺麗ですが、私が一番好きなのは本栖湖。
旧五千円札、新千円札の裏側に描かれている「逆さ富士」は本栖湖から見たもの。
本栖湖周辺の山あい、湖、富士山は抜群の美しさですがすがしい場所です。
本栖湖の湖畔から見る朝日の美しさは有名で、カメラマンの格好の被写体。
私も一度見ましたが、一生忘れられないくらい綺麗でした。
だんだん白み始めた空に、朝日が現れ、富士山を照らします。
すると、富士山や湖面、まわりの山々がキラキラと輝き始めるのです。
これからの季節は、紅葉でさらにいっそう綺麗な景色が見られるでしょう。
と、中国にいながら富士山に思いを馳せるとき、
何の縁あってか日本の象徴の一つ、富士山のある山梨の地で数年生活したことは、
海外在住の身となった今、意義深いものだったと思います。
富士急ハイランドの観覧車から撮った写真です。鉄柱が邪魔ですが、富士山の綺麗なシルエットが見えますね。
2006/10/15