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夢の上海(チャイひめ)
第16回 町の人々
今日は、一日中、仕事上いろーんなことが起きて、
ムカついて、むしゃくしゃして、疲れ切って。。。
あ〜、もう、最悪!!
と思っていても仕方がないので、なんとか気分転換を図るべく、
ゆっくりお散歩して家に帰ることにしました。
幸い、今日は比較的涼しく、夕方の散歩に持ってこいです。
私が住んでいるのは小さな田舎町。
のんびりして穏やかな町の人々は、外国人の私に対してもすごく親切です。
それに、個性的で面白くて、愛すべき人たちばかり。
そんな町の人々とのおしゃべりは、私にとって楽しみの一つ。
・・・ピピピ。
綺麗な鳥の鳴き声が聞こえてきました。
会社の近くの文房具屋さんが最近飼い始めた小鳥です。
お店の前では、文房具屋の親父さんが自慢のホンダを洗車しています。
しばらくすると私の行きつけの美容室です。
アシスタントのお兄さんやお姉さんがお店の前で休憩しています。
「今、帰り?」元気に話しかけてきてくれます。
ここの店員さんはみんな、いつでも元気で明るい人ばかり。
ガラス窓から中をのぞくと、お店の中にいる顔見知りの
店員さんたちも笑顔で手を振ってくれました。
トランペットの音が聞こえてきます。
写真屋のおじさんが吹いているのです。
私が行くといつも「北国の春」を演奏して、歓迎してくれるおじさんです。
おじさんの足下には、毛並みの綺麗な白い猫がいます。
春に6匹の子猫が生まれましたが、綺麗なのですぐ他へ貰われていきました。
写真屋さんを通り越して、いつもの果物屋さんへ。
ここのおばさんともすっかりお友達です。
おばさんは食べていたスイカを一切れ私にくれました。
バナナと葡萄を買うと、おまけでさくらんぼを少し袋に入れてくれました。
それから、いつものクリーニング屋さんへ服を出しに行きます。
「ハロー!!久しぶりだなあ」と太ったおじさんが言いました。
それを聞いたおばさんが「日本人もハローって言うの?」と
横にいる痩せたおじさんに聞いています。
「言わない、言わない。ハローはアメリカ人だ。」
まるで漫才みたいな会話です。
「日本人は「はいっ!」って言うんだぞ。」
始めの太ったおじさんが偉そうに言いました。
ここのオーナーは実は、痩せたおとなしいおじさんの方で、
いつも偉そうな太ったおじさんはオーナーの弟だということを
引っ越してきてしばらくの間、私は知らなかったものです。
元気が出ないとき、疲れたときの晩ご飯は
阿三面館の蕃茄炒蛋飯と相場が決まっています。
私はたった5元(70円)のこのご飯が大大大好物。
トマトの自然な甘みと酸っぱさと、
ふんわりした卵に、しゃきしゃきの青菜の食感。
ひょっとしたら、中国で一番おいしい食べ物かも・・・
楽しい町の人たちとの触れ合いのおかげで、
だんだん楽しい気分になっていて私ですが、
蕃茄炒蛋飯のおかげで、元気百倍!勇気百倍!
それから、家の近くのたばこ屋さんで
康師傅のビンリューチャというジュースを2本買いました。
普段ジュースなんて飲まない私ですが、
甘いけどすっきりしているこのジュースは、留学していた5年前から大好きで、
私にとっては飲んだら幸せになれる、魔法のジュース(笑)。
家に帰って、ビンリューチャを飲んで、好きな音楽を聴いて。。。
あら不思議、さっきまでのむしゃくしゃした気持ちはどこへやら。
こんな風に、町の人たちのおかげで、私は中国で楽しく暮らしています。
町の人々には、とっても感謝をしています。
楽しい毎日を過ごさせてくれる中国にも。
他にも愛すべき町の人々は大勢います。
またの機会にご紹介することにしましょう。
杭州、西湖のほとりにそびえる雷峰塔(らいほうとう)。夕日に輝くこの塔は特に美しいと言われ、杭州十景の一つに数えられています。この塔の上から見る西湖の穏やかな景色は、まさに「地上の天国」という言葉がぴったりです。
2006/07/24