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夢の上海(チャイひめ)
第6回 春節と中国の人々
中国の人々にとって、おおみそかの今日は
必ず家族全員が一つのテーブルを囲み、ごちそうを食べながら
今年の無病息災に感謝し、新年へ思いを馳せる暖かな日です。
食べるものは家族の好きなもの、おいしいものならどんなものでも。
北のほうでは水餃子を食べる習慣があります。
なんでも餃子の形が昔のお金の形に似ているからだとか。
家族全員で皮から餃子を作り、年越しを待ちながら食べるそうです。
0時を迎え、新年になった瞬間の爆竹と花火も欠かせません。
大きな音で魔を払い、綺麗な花火をあげて福の神を家へ呼ぶ大事な行事。
これらの根底には中国の人々が家族をとても大事に想う気持ちがあることがあるように思えてなりません。
現実的、合理的、冷たい、愛想がない、金に汚い、すぐに騙す・・・。
残念ながら、中国人に対するイメージは様々でよくないイメージを持っている人も少なからずいるようです。
それでも私は、中国人の「家族を大事に思い、家族を幸せに導く富に憧れ、朋友を大切に思う」気持ちを痛いほど知っていますし、体験しています。
私には仲良しの近所のおじちゃんとおばちゃんがいるのですが、
去年も今年も大晦日の食事に招待してくれました。
家族全員で過ごす大晦日に招待してくれるということは
「家族同然」に思ってくれているという光栄で嬉しいことです。
大切な家族同然のお客様には徹底的に做客(おもてなし)するのが中国流。
私の取り皿には、おじちゃんやおばちゃんが取り分けてくれた
豚足やら蟹やら骨付き肉やらのごちそうが山盛りに。
優しい想いが心に染み渡ります。
0時のカウントダウンまであと3時間となりました。
もうすでにあちこちで、年明けの瞬間を待ちきれない人々が鳴らす、爆竹や花火の音がたくさん聞こえてきています。
その雰囲気は起き上がった獅子、上海の魔物が動き回っているかのよう。
今年の上海の過年はどれだけの輝きを放つのでしょうか。
上海を夢みて、上海にやって来た私は、とてもワクワクしています。
招待された近所のおばちゃん家の正月家庭料理の数々。縁起ものの魚、正月料理の八宝飯、豚足の煮込み、蟹、骨付き肉などごちそうが並びます。中でも一番のごちそうはおじちゃんとおばちゃんの優しさですが。
2006/01/28