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夢の上海(チャイひめ)

第5回 開発区は中国発展の縮図

中国の広大な国土の中には、様々なエリアがあって、
それぞれが積極的に外資企業を誘致しています。
経済特区、保税区、輸出加工区、工業園区・・・。
特徴ある機能を集中させ、
外資の進出を容易にさせる優遇措置をとっています。

様々な条件はありますが、
「二免三減」という優遇条件は多くみられます。
企業にかかる税金が、二年間は免税、
三年間は半分となる措置です。

中国へ進出する外資企業にとって一番身近なのは、
経済技術開発区(略して「開発区」)でしょう。
80年代にセH小平氏によって設立された
5つの経済特区の成功を受けて、
90年代には沿岸14都市に、経済特区に準じた
「国家級経済技術開発区」が設立されました。

今では、国家認定の開発区だけでなく
各省認定のものも多くあり、
中国に無数にある開発区それぞれが外資を誘致しています。

日本各地でも各開発区の誘致説明会は頻繁に開催されています。
東京や大阪では、
同日に同じビルの違う部屋で、違う開発区の説明会がある、
なんてことも多いと聞いています。

開発区の乱立のため、
インフラ整備の整っていない投資環境の悪い、
名ばかりの開発区も少なくないそうです。
また、大きな都市などでは開発区内の企業が飽和状態で、
新規や中小企業の力になってくれない開発区もあるようです。

かと思うと、国家や省の中で成績がついて
開発区同士で競争をしていますから、
これから地元の発展を望む小さな都市の開発区は必死です。
企業に問題がおこれば親身に相談に乗ったり、
地元の銀行や役所などとの交流会を設けたり、
協業の可能性のある企業を紹介したり、
外資にとって良きパートナーとなる開発区もあります。

こうした状況から、中国のリサーチ会社では
開発区の調査が大事なビジネスの一つとなっているようです。

優良な外資企業をどんどん誘致し、雇用の機会を作る。
外国人や他の地域からの労働者が移り住み、
消費が活性化し、街が潤う。
企業が企業をよび、ビジネスチャンスが増える。

こうして町が発展していくのですね。
そして、このような開発区が中国にたくさんあるから
中国そのものがどんどん発展をしていく・・・。
今や中国は、外貨準備高世界一の国となりました。

開発区は中国発展の縮図のようです。


チャイひめALBUMより〜都市型工業園区〜

天山路都市型工業園区

天山路都市型工業園区

開発区や工業園区というと、郊外のだだっ広い土地に工場が点在する、いかにも「工場地帯」という風情なのが一般的です。写真は上海市内にある天山路都市型工業園区で、美容学校、デザイン学校、前衛的なデザインの服屋さんなどがひしめく、おしゃれな雰囲気です。全国に約200箇所ある都市型工業園区は都市の経済発展を目指し、服飾・繊維加工・物流等に特化したエリアです。

2006/01/22