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夢の上海(チャイひめ)
第4回 言葉の壁をこえるのは誠意
外国で働くことの一番の障害は言葉の壁でしょう。
伝えられない、伝わらない、意味が分からない・・・。
歯がゆい思いをしたことは数え切れません。
しかし、本当に怖いのは、言葉の壁ではなく、
そこから発生する意識の垣根だと思います。
良くも悪くも外国人は、自分たちとは違った存在、
特別な目で見られるのは仕方のないことです。
中国へ来たばかりのころは、
まわりの中国人はとても優しくしてくれて嬉しいのだけど、
どこか疎外感があって、いつも寂しく感じていました。
中国人に少しでも親近感を持ってもらうことを
自分の最大の課題として心がけるようになりました。
明るいあいさつ、丁寧な応対、笑顔などで
言葉の壁と意識の垣根を低くする努力を
ずっとしてきました。
また、中国の人たちといろいろな話をしてきた中で、
その場がフッと和むような話題が分かってきたので、
そういう会話を意識的にするようになりました。
流行に敏感な20代には、
「あの映画見た?あの人カッコいいよね〜。」
「髪型変えたんだね、かわいい!」
ハヤリの音楽や映画、ファッションの話題を。
仕事がノリにのっている30代には
「先週の北京の出張、どうでした?」
「あの企画の反応はどうですか?」
仕事の様子を尋ねます。
一人っ子の子どもがかわいい40代には
「杭州の息子さんは元気ですか?」
「中秋節は家族でゆっくり過ごせましたか?」
子どもや家族の話題を。
試行錯誤のコミュニケーションの中で気づいたことは、
完璧な中国語よりも大事なのは誠意だということです。
中国が大好きなんだという気持ち、
相手と仲良くなりたいという好意、
下手でも一生懸命中国語を話そうとする態度、
中国の文化・習慣を理解しようとする姿勢。
そういった誠意を示すことで
中国の人たちは好感を持ってくれるようなのです。
2006/01/17