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散歩しながら(ぼうちゃん)
第96回 まだ食べられる
現代の日本は
貧しさを知らない国だと
この間の戦争と貧困を
体験した人は言います。
日本の敗戦後は
よっぽどひどかったから
東日本大震災を経験しても
何にも変わらなかったという。
今晩食べるものがない、のが
貧困の定義で
そうでなければ貧困ではないそうだ。
一日一ドルの収入で暮らしている
貧困層は世界にいくらでもいる。
食べ物がないとき、
とる方法は三つしかない。
水を飲んで寝る、
乞食をする、
盗む、
の三つだそうだ。
日本のような国が
貧しい国に援助支援をするのはいいが
むやみに人を信用してはいけない。
支援した金が本当に目的に沿って
使われたか分からないのに
政府は確かめもしていない。
たとえばODA開発援助の
支出がきちんと使われていないか
調査をしない.
どこかで盗まれているかもしれないのに
何とも不思議だと
貧しさを体験した人は驚くそうです。
政府のやり方に呆れたり
とやかく言っても仕様がないけれど、
本当の貧しさなど
経験していない戦後生まれでも
想像くらいならできる。
今晩食べるものがないときどうするか、
2,3日なら我慢して
水を飲んで寝るだろうが
きっといつか限界を超えて
怒りが爆発して
窃盗略奪の行為に及ぶだろうと思う。
ホントに困れば盗んだっていいんだぜ
親鸞だって言ってらあ、
自分に言い聞かせて強盗にもなるだろう。
東日本大震災も
何にも変わらなかったというが
やはり景気は右肩下がりになっている。
明らかに変わっていると
身近な景色からヒシヒシと感じる。
地方都市の市街地は
以前よりもさらに
シャッタ-通りの惨状は酷くなっているし
知り合いの飲食店は
何店も潰れた。
行きつけの寿司屋で
いつもと同じように飲んで食べたら
オヤッと思うくらい値段が上がっていて
そういえば以前いつも混んでいたのに
最近は入ってから帰るまで
誰も来店しないこともあるなと
納得しました。
また馴染みの中華料理店は
コ-ス料理や宴会料理を止めて
普通の単品料理だけにするという
張り紙が出ていました。
なかなかみんな大変だなあ。
ただ不景気といっても
餓えて死ぬこともないから
まだ日本ではそこそこの暮らしはできる。
今晩食べるものがない暮らしを
たまには想像してみるが
切実感がない。
寿司屋のカウンタ-で盃傾けて
つまみにひとつ赤身とコハダで、とか
お気楽にやってられるから
アリガタヤ、アリガタヤ。
2011/12/02