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散歩しながら(ぼうちゃん)
第84回 リラックス
イチローの
11年連続200本安打の記録も、
ついに途切れましたが
最後の最後まで淡々と打席に立つ
職人魂にいつもながら感心しました。
達成できなかった時のコメントも
相変わらずかっこいいものでした。
連続することの重圧から開放されて
「なぜか晴れやかなんです。」
と語ったのが、印象的でした。
続けることは大変なことだ。
いつかは終わる、ということを知っているのは
イチロ-本人だけ。
周りの人々の大半は、
続けているのは当たり前だと思っているのだから
記録が途切れて、なぜか晴れやか、
はイチロ-にしか言えない言葉です。
「ようやく続けることに追われることが
なくなったので、ホッとしています。」
というのも本心だろうと思います。
大リ-グで2000本安打を達成した時の
「節目ではあるけれど、
たどり着いたという感じでもないかな。」
という言葉と対をなす
かっこいいイチロ-語でした。
同じ年代の天才に
将棋の羽生さんがいますが、
彼の吐く言葉にもいつも魅了されています。
「見た目には、かなり危険でも、
読み切っていれば怖くはない。
剣豪の勝負でも、お互いの斬り合いで、
相手の刀の切っ先が鼻先1センチのところをかすめていても、
読みきっていれば大丈夫なんです。」
「 すでに過ぎ去ったことは仕方がない。
私は、意識的に先のことを考えるようにしています。
反省は勝負がついた後でいい。」
このような言葉と日頃の行動が
統一されていてかっこいいなと思います。
商売柄どうしても気の状態を見てしまいますが
彼ら天才はどのように
自分の気をコントロ-ルしているのだろうか。
気を集めると
体のはたらきが活溌になってきます。
気が抜けると
やることもやれなくなってしまう。
やらなくてはならないと思いながら
やれないのは、気がない場合です。
やる気があれば、自然に力も出てくる。
こうして、気は人間の体を動かし、
人間の集まりである社会をも動かしてゆくのですが、
若い天才たちは
この気の集め方が抜群に上手いのだと思います。
今回気が付いたのですが
この二人は気の重心が下がっていて
しかも上半身はきわめてリラックスしていることでした。
ですから彼らの言葉は核心をつき
我々のこころに響いてくるのだと思います。
2011/10/08