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散歩しながら(ぼうちゃん)
第106回 いつもかえっていく
夢はいつも
かへって行った
山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた
午さがりの林道を
立原道造の詩を読むと
こんな世界にいつも
気持ちよい気分にさせられます。
幼年時代まだ何にも
この世の悩みもなく
穢れのない無垢そのものの
世界に遊んでいる気分です。
マイラストソングを尺八で吹きたい。
そう思い立ってこの歳で始めました。
好きな歌を音痴のために歌えないので
尺八という楽器で吹ければと思ったわけです。
私のラストソングはどうしても
夢がいつもかへつて行くという
その世界であってほしい。
尺八といえば
南部牛追い歌とか
新相馬とかの民謡か
本調べ、山越えなどの
本格的なものを想像するでしょうが
私の練習しているのは
何とポップスや歌謡曲、
童謡などです。
私はモ-ツアルトや
ブラ-ムスも好きですが
美空ひばりや三橋美智也も
やぶさかではないクチです。
童謡 叱られて、故郷、夕焼け小焼け
なんかで涙ぐんだりしていますから
この尺八は持って来いです。
さて、いま練習しているのは、
みかんの花咲く丘、
ひばりの
悲しき口笛と
あの丘越えて です。
音符がすらすら読めませんが
いつか数十曲思いのままに
吹けるようになり
先日書いたように
わが屋戸の周りの竹の葉が
風にそよぐ音するとき
おもむろに尺八取り出して
吹き始めるつもりです。
そのときは
マイラストソングは
もう決まっています。
2012/01/17