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散歩しながら(ぼうちゃん)
第101回 ご自愛のほど
当たり前の一日。
私も一日も早く身辺整理して
すっきりした自宅でまったり過ごしたい
友人から便りが来ました。
読んで大いに共感して
すぐに何か返事を書こうと思いつつ
ぐずぐずしているうちに年の瀬です。
私も早くまったり過ごしたいけれど
ナンだかこの世の役目とかいうものが
与えられちゃった。
そう思いませんか。
なかなかマッタリできません。
いま仕事が中心軸なら
右手に気功、合気道。
左手に尺八、読む聴く見るなどの趣味。
とくに気功においていいヒントを見つけました。
最も自分の好きな情景を思い浮かべると
楽にアッチに行けるということ。
いつも思い浮かべる景色がありまして
この景色ですぐにコッチからアッチに行けるので便利です。
朝方の景色は
枝にもる朝日の影の少なきに
涼しさ深き竹の奥かな
夕方は
わが屋戸のいささ群竹(むらたけ)吹く風の
音のかそけきこの夕べかも
どちらもむかしの人が詠んだ歌です。
この歌の情景が大好きでして、
すぐに己が透明になってしまいます。
たぶん何世代か前に近江の国かなんかに
住んでいたのかなワタクシ。(笑)
そのむかし
昼間は綺麗なネエチャンの尻を追っかけていても
日暮れになればひとり庵で夢想する
殊勝なワタクシもいたろうし
屋戸の周りの
竹の葉が風にそよぐ音など聞けば、
もうたまらない。
ひとすじの涙なんか流しちゃう。
いまでもこんな夕べにスッと消えたいと思っている。
消えたいといえば
理想の老後は
矍鑠として前を行く夏帽子
こんな老人の姿です。
飄々とした笠智衆みたいな。
もうひとつの理想の姿は
森繁久弥のようにちょっと助平で
生活力がないのに何となく女が放っておけない。
勝手なことやって
世話女房に、頼りにしてまっせ、
とか言ってしゃあしゃあしている男。
こんな男が爺さんになった姿。
まあ、みんな無理なようだから
映画
東京物語、晩春、浮雲、流れる
夫婦善哉、社長シリ-ズなどを見て
本は半七捕物帳。
映画や本で紛らわすことにします。
ではでは
今年は大変な年でしたが、過ぎていきます
ご自愛のほど。
2011/12/30