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散歩しながら(ぼうちゃん)
第100回 目に見えないもの
特別な思い出に
小学三年生の夏休みがあり、
それも田舎の駅から
祖父母の家までの
白い街道を歩いた記憶を
前回書きましたが
現実世界と比べてみると
あの瞬間は私にとって
「空」でした。
「色即是空、空即是色」
つまり「色」 とは、
人間が感得することができる
現象的な世界であり、
「空」 とは、
存在する真の宇宙の姿そのものである
といいます。
私が死ぬまでやりたいと
思っていることの仕事のひとつは
実はここに関係していると
思うようになりました。
ここから何かが学びとれるはずだとの
確信があるからで、
現実問題に終始し、
それですべてのエネルギーを費やして、
果たして自分の生きている
意味を見いだせるか、
という誰もが考える難問さえも
もしかしたら分かるかな
とか不遜にも考えています。
お釈迦さまは
「空」 という言葉を使いましたが、
空が宇宙の姿そのもので
人が観ているこの現実世界と、
いかにかけ離れているか。
目に見えていることだけ見ていても、
本当のこと、真実はわからないのです。
大事なことは、
目に見えるものや、
地上に出ているものだけではないんだと
いうことに気がつきました。
大事なことは、
目に見えない部分にあるのだと。
夏の思い出と
「色即是空、空即是色」と
どこに関係あるのかと思うでしょう。
そうなんです
そのくらい現実世界から
かけ離れたことをいっています。(笑)
ぼうちゃん、
ナイスミドルになったね。
何年ぶりかで会って
一杯やったとき
従弟がつぶやきました。
ナイスミドルどころか
もはや初老の冴えないぼうちゃんですが
盃を舐め舐め
そうだなあ
「色」ばっかりだもんな、
もうお互い歳なんだから
目に見えないモンを
大事にしなきゃあ駄目だよなあ。
自分にも言い聞かせました。
2011/12/26