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散歩しながら(ぼうちゃん)
第10回 俳句でコラム
今日のコラムは
この冬に詠んだ私の駄句で済ませる
ことにします。
二十年も前に俳句をかじって
そのまま放り出していたのが
何の心境の変化か
二十年ぶりに俳句をつぶやいています。
やはり人には年月が必要なのでしょう。
もううまく詠もうなどとは考えない。
ただひたすらその時の思いを素直に詠むだけです。
終日ひとり畳に寝転び本など読みながら
反古の紙冬日だまりの畳かな 齊
月夜の晩はひと恋しくなつかしくなります。
半月や指人形の汚れかな 齊
秋、公園のベンチ、銀杏の葉が散っています。
空の青いま長(おさ)が逝く大銀杏 齊
友人を見舞って久しぶりに夜道を歩きました。
月の夜のだれにも会わぬ家路かな 齊
俳句は駄句で充分です。
私もせいぜい駄句をつぶやきます。
師走は何だか落ち着きません。
大晦日もすぐそこ。
大年のふかきところへ錐立てる 齊
冬の日やこぼれしものへ火をともす 齊
祖父に背負われて
月夜のもらい風呂
いい歳をして思い出しています。
なにもかもなつかしくして月明かり 齊
つかのまの背のぬくもりや月の下 齊
古い映画を田舎の街で上映しているので
時々楽しんでいます。
歩いて帰る道、東の空に黄色い大きな月。
遠くの山はもう雪のようです。
しんしんと雪 けものの寝息かな 齊
2011/01/28