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散歩しながら(ぼうちゃん)

第8回 この世は楽しく

私は寝床の枕元に、
机の上に、
ソフアの横に、
いつでも読めるように本を置いておきます。

所詮、
この世は楽しく過ごすことが目的だとすれば、
私の楽しく過ごす時間は、

仕事は措いといて
本を読むことと散歩です。

映画を見たり、音楽を聴いたり、
俳句を詠んだり、落語を聴いたり、
酒を飲んだり、稽古をしたり、
好きなことは限がないのですが、
本と散歩は何時でも何処でも
そして飽きません。

いま気が付きました。
私の好きなことは何とまあ
金の掛からない安上がりのことばかりでしょう。
ゴルフはやらないし、
麻雀、競馬も夢中になれませんでした。

私は自営業で終日家の中にいますから
どうしても井の中の蛙になりがちです。
知識も偏り世の中の動きから
だんだんズレてきます

そんなとき読書の世界は、
私の人生の師であり
同伴者である関係を作ってくれます。
そう考えると読むのが楽しくなります。

邱永漢渡部昇一谷沢永一
江藤淳小林秀雄吉本隆明
向田邦子斉藤孝上田三四二
山本夏彦藤沢周平大岡信
山田風太郎夏目漱石佐藤優
本多静六ドラッカ-岡本綺堂

いまこの机上に
パソコンの横に積んである本の
背表紙だけ眺めていても気分がよくなります。
本をよく読むといっても、とっかえひっかえ
暇に任せて読みちらかしているだけで
決してちゃんとした
読書家ではありません。
難しいものや理解できないものは
飛ばし読みして
あとは放り出しておきます。

吉本隆明の
「共同幻想論」「言語にとって美とは何か」など
難解でずっと読めずに積んであります。
戸田先生の先輩にあたる
柄谷行人の
「世界史の構造」はまったく歯が立ちません。
その方面の学問の基礎知識が
ありませんから仕方ありません。

この世は楽しく、といっても
本職を熱心にやることに尽きます。
自分に与えられた仕事に
熱中する熱意がなければ、
教養というのは身に付かないと思っています。

ですから
本は楽しみに読みますが、
先ずは本職に熱意を、です。

2011/01/24