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散歩しながら(ぼうちゃん)
第3回 通信簿
谷沢永一さんがみごとな指摘をしていますね。
<邱永漢は珍しくも卓越した人間通であり、
その説くところは一貫して見事に無理がない。
人を驚かすような奇説は決して吐かない。
人間通であり世間通でありながら、
虚無的な思考態度を絶対に示さず、
常に向日性を根幹とする> と。
このような上手い表現はできませんが
われわれも無意識にでも
わかっているから魅かれ続けるのでしょうね。
真似をするとしても
とても人間通になることは無理ですが
向日性を目指すことはできそうです。
私も向日、楽観をこころがけ、
良いことばかりではない人生だけれど
虚無にならず、深刻ぶらないことにしています。
また、ええかっこしいや
背伸びして無理をしないことにしています。
私は人前でしゃべる能力が人より劣っています。>
若いときはそれがとても苦痛で避けていました。
小、中学生のときにいつも先生から
お前は分かっているのに、手を挙げない。
もっと自分を表に出さないといけない。と>
ずっと言われ、通信簿にも書かれていました。
なかなか性分は治りません。
しかし苦手で下手糞なのは仕様がねえやと、
自然に歳とともに思えるようになってから、
肩の力がぬけて楽になりました。
若くて物怖じせず人前で堂々とスピ-チする人をみると、
なかなかやるなあ、と感心しますが
才能の種類が違うのだなと思えるようになりました。
脳の本によれば、
言語中枢の左は>
書くほうの能力をつかさどる所で、
右が話す脳力のところだそうです。
流行作家などは
普通の人の何倍も
左の言語中枢が発達していて、
邱さんもそうでなければ
多くの良質の文章は書けないでしょう。
しゃべる能力に関していえば
芸人のさんまさんなどは
右の言語中枢のバロメ-タ-が
吹っ切れてしまうほどすごいのだと思います。
ちなみに
私のそれは通信簿をつけると、
書くことが3。
話すことは2。
赤点です。
2011/01/12