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変化是機会(上野陽子)

第13回 隣国との対話

カナダに留学していた頃
多くの韓国人留学生と共に
毎日、勉強をしていました。

当時、
ワールドカップの日韓共同開催も
ドラマの日韓共同製作も
チョナンカンも、
韓流ブームも、なにもなかった頃でしたから

お互いに心の距離を感じながら
はじめは、
挨拶だけの付き合いから始まりました。

時間をかけて徐々に親しくなっていき
心を開いて話ができるようになった頃

バーで飲みながら、
韓国人の男友達が打ち明けてくれました。

「僕は、留学に来る前、

 カナダには、

 たくさんの日本人学生がいるって知っていたけど

 日本人とは絶対、親しくならない。

 親しくなんかなれるはずがないと思ってたんだ。

 でもね、

 今は、ここで日本人の友達ができて

 すごくうれしいんだ。」

この話を聞いた時、
一瞬ドキッとし
背筋がピンと伸びたのをよく覚えています。

同時に
友人が心の内を明かしてくれたことの嬉しさが
込み上げて来ました。

韓国と日本の間には
過去、積み重ねられてきた歴史があり

それぞれの国の解釈で
教育が行われています。

しかし、
このような出会いによって
個々人の中に生まれた感情を

お互いに大切にできれば
より良い関係を築けるのではないかと思っています。

現在、滞在している上海にも
各国から多くの留学生が集まってきています。

早く、皆と色々な話ができるように
急いで中国語を勉強している最中です。

shanhaifriends.jpg

(写真:上海で出会った各国の友人達と)

2005/10/26