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変化是機会(上野陽子)

第10回 変化する母

先日、母が作ったExcel(*1)の表を見て
すごく、ビックリ。

罫線や網掛け、数式などを駆使し
とってもキレイな表が作られていて

ビジネスベースで出して
まったく問題の無いレベル。

罫線の引き方について
質問をされたのは、いつだったっけ。

「数字の羅列じゃ見にくいから、
 線を引いたり色をつけるのよ」と

簡単に、さらっと説明しただけだったのに
いつの間にか、マスターしている...。

別の日には

「『ヤマダサン ノー ミーティング!』
 って、言ったら通じたのよ。

 『山田さんは会議で不在』
 って言いたかったんだけど合ってる?」

と、嬉しそうに話す母。

それでは、「会議が無い」になっちゃう...
と、フレーズの間違いにウケながらも

母が英語で電話対応をしていることにビックリ。

母は、まったく英語ができなかったハズ...。
英会話教室にも行ってないハズ...。

会社で、海外との取引が増えたのに
英語を話せる人が不在がちで仕事にならず

「電話がかかってくると
 会社のおじさん達、ささーっと逃げて行っちゃうのよ」

と、グチっていたのは、半年前だったっけ。

今では、超カタコト英語の電話や、
メール、FAXを駆使し
二重三重のチェックを行いながら
ある程度、自分で対応するようになったのだとか。

なにか問題にぶつかると
それを解決する方法を考え
順番に試していくのだという。

しかるべき人に頼んでダメなら
自分でやってみるのだという。

こうやって、母は変化し続けている。

お母さんすごいね、と言うと

「だって、他にやる人いないんだもの」

と、笑ってさらっと受け流されてしまう。

私は、母のようになれるのだろうか...。

(*1)マイクロソフト社の表計算ソフトウェア。母は見積書、受発注表などの作成で使っている。

2005/10/05