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中国株勝ったり負けたり(豊田大志)

第4回 ワーサンガスの失敗

ワーサンガス(8035)を03.8〜04.3まで、
少しずつ買い続けました。
しばらくして、会社側の不祥事が発生し、
取引停止銘柄となり今に至ります。

この時の失敗の原因を考えてみました。
私は、あの頃、住宅ローンを完済できる
良い銘柄はないものかと捜しておりました。
名古屋駅前の大型書店で中国株投資関連の
本を片っ端から買って読んでおりました。

ワーサンガスについては、何人かの著者が
高い評価をしておりました。
私はワーサンガスについて書かれた高い評価に
つられて、今これを買わねばならないと思い
込みました。これで「ローンは完済できるぞ」と
ウキウキした気分になりました。

もともと私には銘柄選定の目安がありました。
1、配当金が1割以上であること
2、無償増資があること
3、売り上げ、純利益が綺麗な右肩上がり
であることというシンプルな3原則でした。

ワーサンガスは無配に近いものでした。
売り上げ純利益も右肩上がりではあるが、
小さなものでした。著者の期待感だけ、
何故かやたら高いものでした。

私は著者の気分にすっかり同調して
この銘柄を例外扱いにして購入しました。
「一億円儲けた男が選びぬいた」五つ星銘柄に
出会ったと思い込み、気分的に舞い上がった状態
になり、つい心のタガがゆるんでいたなと思います。


銘柄の選定は冷静な心の状態で、言わば「平常心」
で決めねばならないと反省しました。

あの頃、自分の基準に合致したものを買っておれば
買値の2倍以上になっており、ローンは完済できて
おります。残念に思います。
まことに逃がした魚は大きかったのです。

今、邱永漢さんの近著『損して覚える株式投資』
(05.12PHP刊)を読んでおります。
その第一章は、なんと「思惑は必ず外れる」と
ありました。ガッテン。
邱永漢さんは「株式投資はまたとない精神修養
の場である。」と言われます。
私は、平常心と大局観とを養う道場であるなと
思うようになりました。

なお、1月4日のワーサンHPには新経営陣の
会社再生への熱い思いが語られており、今後の
展開には、なお、期待しております。

2006/01/23