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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第148回 ちょっとしたことで

上海にいらしたお客さんをアテンドする時に
上海の外灘にこじんまりとしたいいホテルがあったのですが、
最近、
お客さんを案内したら
とんでもなく変わってしまっていて、
大変がっかりしました。

日本人のしっかりしたマネージャーがいらした時は、
こんな風では決してなかったのですが、
もうただの小さなホテルでしかありません。

経営ってむずかしいですね。

あらかじめチェックインの前々日に
予約の確認があり、チェックインの時間を確認しました。

当日予定通りの時間に
チェックインしようとしたのですが、
部屋がまだ準備できていないとのことです。

「昨日から台湾の悪天候で、
お客様がまだチェックアウトされていなくて」と言いわけがはじまりました。
今は入っている人は、お客様で我々はお客様ではないということでしょうか。

そもそも団体客は、とらないことにしていて、
ゆったりと過ごせることをウリにしていたはずなのに、
狭いロビーはごった返しています。

部屋が用意できるまで、
30分以上待たされました。
準備できたら連絡しますといったものの何の連絡もなく、
しびれを切らしてフロントに行くと
部屋の鍵が置いたままで
あわてて気づくと
今準備ができたばかりなのでと
また言いわけです。

部屋の造作もひどく
机は所々がはげ落ちています。
ホスピタリティを感じることができません。

ツインを依頼しても
ダブルになっていて、
それを伝えたら、
ハウスキーピングはツインにしたと言っていますとの返事があり、
同道して現場をみて
やっと気づくという始末です。

まだまだありますが、
ホテルの文句を言いたいわけでなく、
中国での経営は
マネージャー、店長クラスのレベルで
大きく変わってしまうものだと改めて感じてしまいました。

目先の利益に走ってしまい、
自分の最大の長所を捨ててしまったり、
スタッフの管理が行き届かなくなり、
スタッフは自分の失敗・責任を負いたくないために
言いわけばかりするようになってしまいます。

油断するとすぐに手を抜くということも
五つ星のホテルでも感じさせてもらいました。
今後このホテルが、大激戦の上海でどうなるか楽しみです。

どなたかが
お辞儀の仕方や作法の形を教えるだけではだめで、
心の持ち方・あり方を変えなければならない。
心の持ち方が変わらない人は
その世界で働くことをあきらめてもらうしかないと
仰っていましたが、
まさにそのとおりと大きく頷いてしまいました。

 とうさん

2013/07/27