戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 上海から家族への手紙(天真爛漫)

上海から家族への手紙(天真爛漫)

第92回 最近の中国の若者の本音

江蘇省南京で暮らす若者と話す機会がありました。
南京は、日本人にとっては、
歴史上の問題から、
いろいろな話題もたらす場所ではありますが、
個人的には、
緑が多く、湖あり、山あり、そして
何よりも明の時代に築かれた城壁35Kmの
約3分の2が残っており、
悠久の歴史を感じさせるいい街だと思っています。
日頃上海の喧騒の中にいると、
南京の落ち着きがうらやましく、
あこがれにさえ思えてきます。

労働節の休みに
訪れた時には、
玄武湖のまわりには散策を楽しむ人や
魚釣り・魚獲りに興じる人たちがたくさんいて、
愉快そうにすごしていました。
ほどよく発展した街で
のんびりと生活を楽しんでいるようで
いい感じだなあと思っていました。

しかし、
そこに暮らす若者たちの考えは、
少し違っていました。
経済の発展も、
最近は経済成長GDPの数字を伸ばすために、
工事ばかりしている。
確かに、言われてみると
街のあちこちで工事が行われています。
刺激も多くないし、
もっと刺激があり、活気のある場所で
自分の力を試してみたいと話します。

なるほど
彼らは、北京外国大学という一流大学を卒業して、
たまたま南京で仕事を始めたのですが、
転勤などで他の場所に移る可能性も低いようです。
もっと大きな舞台で、
自分の力を試してみたいというのは、
偽らざる気持ちかもしれません。

そういう気持ちになってみると、
南京もまだまだ刺激が足りない場所なのかもしれないと
気づくようになりました。
街の中に、オフィスビルや闊歩するサラリーマンやOLの
姿も上海とは比べようもありません。
服装であっても、
これはと目を見張るようなファッションをしている人も
多いわけではないように思えます。

とうさんのような中年のおじさんには、
居心地がよくても、
元気いっぱいの若者には退屈な街と
感じられるのかもしれません。

彼らは、生活がきつくなるのはわかっているけれど、
やはり上海のような大きな街にでてみたいと話します。
こういう若者の活力が今の中国を支えているかもしれません。

都会だけにかぎらず、
アジアのいろいろな国で
何とか役に立って、
いきたいという気持ち、
がむしゃらな気持ちを
彼らの姿から思いだしたところです。

とうさん

2012/05/06