戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 上海から家族への手紙(天真爛漫)

上海から家族への手紙(天真爛漫)

第54回 こんなにも徹底してやるんです!北京バスツアー編

こっちゃんへ

今週は端午節の休暇もあり、
北京に行ってきました。
北京は、久々でもあったので、
万里の長城まで足を延ばすことにしました。

万里の長城と明十三陵の2ケ所の見学で
160元(約3000円)のバスツアーに参加することにしました。
地下鉄「前門」にある旅行センターで必ずチケットを買うように
案内されてはいたのですが、
前門駅には降りてみたものの、
めざす旅行センターは見当たりません。

そこで、
腕に「北京旅遊○○」というワッペンを貼ったおじさんに尋ねると
端午節が近いので、最近はバスは別のところに停めるように言われているので
ついてこいと言います。

しばらく歩いて行くと、
北京○○ツアー 160元 万里の長城と明十三陵という看板を見せられ、
このツアーだなと確認してきます。
確かにこれだと言うと、
別のおじさんに引き継がれ、
バスが止まっている場所まで連れて行かれました。

ここでツアー代金を払おうとすると、
今日は特別にもう一か所案内するが、
入場料金は45元別にかかるとのことで
結局205元を払いました。
その後、バスに乗り込むと他には誰もいません。

すぐに他の客も乗るので、
乗ったらすぐに出発だと言われましたが、
ここから延々と待つこと一時間余り、
やっとバスが満席になったところで出発です。

その待つ一時間、水を売ったり、帽子を売ったり、
扇子を売ったりと大体この間に様子がおかしいと
気がつけばいいものを
どこまで続くのか興味半分、払った金惜しさ半分で、
そのまま耐えていました。

万里の長城には無事つき、
8年ほど前に登った時とは違い、
非常にきつく体力の衰えをしっかり感じた次第です。

その後、例の45元の「老北京園」へ着いたあたりから
ますます様子がおかしくなりました。
単なる廃墟同然のところに、
何かの撮影があったところだと案内されながら
別の入場料とか、チップとか、一緒に写真をとったらいくらとか
金、金の世界に入ってきました。

その後はヒスイの店、北京ダックの店と土産物屋ばかりを回り、
午後3時過ぎにやっと昼飯だと思ったら、
そこでもまず店内のうまくもない菓子の類の陳列をぐるぐると回り、
ゴールしたご褒美に犬も食わないような冷めた飯を与えられました。

肝心の明十三陵は、車中からの見学だけです。
仕方がないがやっと解放されると思ったら、
今度は極めつけに、バスのエアコンの点検をするので
しばらく休憩してくださいと無理やり下ろされると、
またヒスイの置物の店です。

社長が出てきて言うには、
「最近偽せものを扱う店が多くて、気の毒だ。みなさんの買ったものを鑑定できるし、ここはすべて本物です。」
とのこと、アホらしくて空いた口がふさがらないとはこのことです。
どうせツアーに参加している人のほとんどは
誰もが本物と偽物の区別がつくはずがありません。
ある人のものを鑑定した社長曰く、
「これは本物だが、決していいものではありません。」
バスに戻ってくる人の手には買い物袋がぶら下がっています。

極めつけは、バスガイドが最後のみやげもの屋を出発してから言うには、
「今あそこで羊肉の串を3本10元で売ってたでしょ。
 市場で買っても500グラム数百元するのに、
 あれは絶対、羊の肉じゃないよ。」ですって。
バスを降りる前に言ってくれーと思いました。
もちろん、とうさんは一口も口にしていないですよ。

まだまだいろいろありますが、
あまりにもアホらしいので今日はこのあたりで
やめておきます。
万里の長城は一見の価値がありますので、
ツアーでなく、別の方法でぜひ見学しましょう。
今回は、とてもいい勉強をさせてもらいました。

 とうさん

2011/06/06