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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第31回 天津に行ってきました。 その2

まっちんへ

天津出張中に、

天津から北東にある河北省の唐山市の工業団地の調査に行くことになっていたのですが、

その日はあいにく朝から霧が濃く、

高速道路が通行禁止になってしまったようです。

バスの運転手は、

いろいろなルートを試みてくれたのですが、

どこも渋滞で身動きがとれません。

まわりの他の車はというと、

路側帯を走り出す車・田畑の畦道を走りぬけようとする車が多数でてきます。

中国では当たり前の光景ですので、

とうさんは驚きませんでしたが、

お客さんは大喜びでその様子をカメラに収めたりしていました。

渋滞は一向に解消されませんでした。

そのうちに、

しびれをきらした車が引きかえそうとしてUターンしはじめました。

中央分離帯のある車線でですよ。

一台だけでなく、

何台も何十台もがUターンしますから、

車線は大混乱です。

さっきまで大喜びしていたお客さんたちもこれには唖然としていました。

そうこうしているうちに、

我々のバスもUターンしだします。

大型バスのUターンですから、

片側4車線を使っての大仕事です。

その間バスの前後の車が停められたままなのですが、

こういうときは、

なせがクラクションも鳴らさず、

大人しく待っているのです。

また、反対車線を逆走して、

いち早く目的地に辿りつこうという車もでてきて、

やりたい放題の状況です。

ガイドは、

中国で道路を通行するときに必要なのは、

マナーでもルールでもなく、

勇気だけだと言っていました。

お客さんたちは、

目的地に全く近付くこともできず、

バスの中で散々な目に遭ったにも関わらず、

別の意味での中国の凄さを体験できたと納得してくれていました。

上海でもとうさんはまだまだ恐る恐る道路を渡っていますが、

中国は、

田舎にいけばいくほど運転が荒くなったり、

交通ルールがひどくなったりするそうです。

信号を見たこともなかった人に、

信号を守れというのも難しいというガイドの話に、

みなさん頷いていました。

 とうさん

 

2010/11/28