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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第28回 上海万博が終了しました。

ろとくんへ

上海では、

今晩盛大に上海万博の閉幕式が行われました。

半年間で7,300万人の人が訪れたお祭りもおわりです。

これでとうさんの仕事もひとつ減り、

少し気が楽になります。

開幕式の時のような花火は、

残念ながらありませんでした。

やはり、

開幕式で中国じゅうの花火を使い切ったのかもしれません。(笑)

ところで、

とうさんが万博を通じて実感したことは、

中国の人と仕事をするのはやはり疲れるということです。

この間も、ひとつの会議(仕事)に対して、

担当者が何人も現れました。

ひとりひとりの担当者が、

同じことを聞いてきたり、

同じ書類の提出を求めます。

責任者はいったい誰なのかと尋ねると、

誰も答えられません。

自分は「(だれだれ)の指示によって、動いているだけだ。」と言うのみです。

(だれだれ)を辿っていっても、

責任者には決して行きつきません。

誰も全体のことを理解していません。

だから、

自分の発言の影響が他の事項に及んだとしても、

絶対に誰も引き取って解決してくれることはありません。

このようなことは、

中国で仕事をしている方々は、

当たり前に経験していることで、

中国での仕事は骨が折れるということの一つです。

万博という世界に開かれたイベントでも、

最後までこのようなことは、

少なくともとうさんのまわりでは続いていました。

相手のことを少しでも考えてくれれば、

こんなことは起こさないと思うのですが、

残念ながらこのようなことは当たり前に起こっています。

「郷に入れば、郷に入る。」という言葉があるように、

とうさんもこちらの生活に慣れるとともに、

日本人としては、

マナー知らずのずるい奴になっていることがあります。

他の外国人のスマートな行動をみると、

「いけない、いけない。」と自分に言い聞かせることもありますが、

あまりにもひどい行動をする(彼らには当たり前のこと)中国人が多いので、

負けるものかと力が入ってしまうこともあります。

うまい解決の方法は見つからないのですが、

これからの目標は、

こんなことに悩まないように、

賢くスマートな行動をとれる方法をみつけようと考えています。

 とうさん

 

 

 

 

 

2010/10/31