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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第8回 南京に行ってきました。

ろとくんへ

南京の「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」(以下、記念館)に行ってきました。
南京は、仕事の関係でもこれから何度となく来ることになるところです。南京には世界遺産の明孝陵などもありますが、まずはこの記念館を訪問することにしました。

とうさんは、広島の原爆記念館もどちらかというと苦手なのですが、ここは海外であり、一層苦手な気がしていました。
日本語を話すと大変なことになるというのは、デタラメだと事前に聞いていましたが、やはり館内では日本語を話すことはためらってしまいました。

3年ほど前に建て替えられ、何と74,000平方メートルの広さがありますので、ただ歩くだけでも相当時間がかかります。また、入場料が無料で公開されていますので、たくさんの人々が訪れていました。南京大虐殺に関わる様々な展示があります。とりわけ人骨及び虐殺の様子の写真の展示などは強く心に訴えかけるものであり、どのひとも静かに食い入るように見学していたような気がします。

観覧の後、外の庭で若い中国人の青年たちが、笑顔で談笑している姿をみると何だかほっとした気持ちになりました。日本の企業が進出するには難しいところだという話をよく耳にしますが、少なからぬ南京の人々は、日本企業の進出を期待しています。だれもでていないところだからこそ、チャンスも多いと思います。上海からもそれほど遠くなく、高速鉄道が開通すれば、1時間程度の距離になります。経済も文化も発展しており、日本食のレストランなども結構あります。内陸部よりは、ずっと馴染みやすいことと思います。

南京は明王朝の都でありましたから、歴史の観点からも素晴らしいものがたくさんありますし、とても緑が多く、風光明媚なところであります。次に来る時には、そちらの観点から散策してみることにします。

とうさん

2010/06/01