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カネなし コネなし アタマなし(スナドリねこさん)

第8回 フィリピンのビジネス環境

バンコクにおりまして、半月ぶりの更新となりました。

フィリピンという国とフィリピン人についての考察です。
ある事柄を語るのにはいろいろな切り口があると思いますが、
テーマをビジネス環境に絞ってお話いたします。
以下は、フィリピン在住でビジネスをされている日本人の方々の
お話を元にまとめています。

どこの国に行ってビジネスをするにも、それなりの驚きと苦労の
連続がつきまとうことは間違いありません。
邱先生に言わせればそのようなことは当然のことで、日本国内に
だっていろいろあるのだから「そんなことくらいで諦めるのなら、
他の道もあるのだから事業なんてゆめゆめおよしなさい。」
となりますね。

フィリピンでビジネスを行なうとなると、一番問題になる
キーワードは現地人労働者や現地人パートナーのパーソナリティ
(人間性)に尽きます。
これはなんら目新しいことではなく、他の国のみならず日本国内で
ビジネスをする場合のキーワードの一つでもありますが、世界に
おいては中国などと並びこれを重要度のトップに据えなければない
ほど大切なことです。

フィリピンでも「騙された」「乗っ取られた」「逃げられた」
などなど・・・・は当然のように頻繁に起こります。
最悪の場合は、私たち日本人が殺されることも珍しくありません。
(中国ではここまではあまり起きません。)
私は、わずかの期間ですが中国でのビジネス経験がありますので、
私なりに観察していると、中国の場合は殺人事件に至るほどの悲惨な
裏切りはないが巧妙・複雑に罠を仕掛けてくるのに比べ、フィリピン
の場合は単純明快・欲しいから(あるいは妬みから)騙す・盗るという
印象を受けます。

また、中国で嵌められるのは比較的堅気の企業・個人が多いのに対し、
フィリピンでは怪しい個人やその筋の企業・個人もたくさんいるので、
殺人事件まで至ったケースでは現地での詳細な経緯や後で伝わる話と
して、実は日本人側にも非があったとか堅気の企業・個人でなかった
とかいう話もたくさんあります。
トラブルの原因がもどっちもどっち、さらには悪いのは日本人だったと
いったようなことです。
(日本ではなかなかここまでは報道されません。)

しかしそれを差し引いて考えても、やはりフィリピンでのビジネスは
かなりの高リスクを伴います。
ビジネスに関係なく、堅気でも簡単に殺されてしまうこともあります。
フィリピンでは消費者たる国民もまだまだ低所得ですし、働いている
現地人までビジネスで不正をしたりする、さらに要であるガバメント
(官公庁)もかなり汚職にまみれていますから国ぐるみの悪循環を
繰り返しています。

邱先生の著書などを読み返してみると、日本には最後の二つの問題が
ほとんどなかったために驚異的な経済成長を実現できたのだ、ということ
がよく理解できます。
しかしながら、フィリピンでも実際にビジネスで成功されている人が
いるわけですから、そのような方々は人格の良い現地人を雇用できたか
教育がうまくいっているかのどちらかだと思います。

また、大部分のフィリピン人は善良な人々ですから・・・・

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2008/04/13