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パラン・パラン(スエナリ)

第286回 一夜雪

屁くさんぼう(カメムシ)が秋に大量に発生すると
其の年は大雪になるという言い伝えある。
今年は屁くさんぼうの発生が少なかったという。
それが当たったのか、今のところ少ない。
雪すかしはほとんどやってない。
スノーダンプも出してない。
融雪のコックを捻って水を出し、なんとか間に合っている。
連日降られるとこれでは追いつかなくなるのだが。

暫く降らないので、妻はスノータイヤは不要だと云っていた。
その日は、午前中は澄んだ青空で洗濯物干していたのですが、
午後から急変したのです。
にわかに掻き曇り、雷鳴とともに吹雪になってきたのです。
そんななか、妻は黒部の母親に会いに行った帰り、
自損事故を起こしたのです。
二車線の道路で、凍っていたにのもかかわらず、
スピード出していたため、カーブでハンドルを
きろうとしたが、効かなかった。

慌ててブレーキを踏んだだため、車は急旋回し、
対向車線を越えて、側溝も越えて、一メートル下の田んぼに突っ込んだのです。
バカな妻は、アクセルとブレーキを間違ったのではないかとか、
眼前に電信柱が迫ったため、一瞬ハンドルをきったとか云っていましたが
ショックで動転していてよくわからなさそうでした。
ようするに、よそ見運転なのです。
走ってくる途中で、一台の軽四が腹を上にして田んぼにひっくり返っていて、
救急車が来て、助け出していたそうです。
それの情景が頭に浮かび、上の空だったのではないかとおもわれます。

その突っ込み体勢(ソフトランデング)がよかったのか、なんとか泥田んぼを抜けだし、
自動車修理屋に行くべく、とぼとぼショックで泣きながら歩いていると、
通りかかったパン屋の奥さんに拾われたのです。

おそらく、レッカ―車で引き上げたのでしょう。
さいわい人間にも、車にも大した被害はありませんでした。

2013/01/26