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パラン・パラン(スエナリ)

第285回 ガラス戸の外

人は誰も来ない、ガラス戸を開けて、ぼんやりと空をみている。
青空だ。この季節にはめずらしいうすい遠い青空だ。
暫くするとむこうから白いほそい雲がながれてきた。
風も出てきた。
庭の5本の竹が揺れだした。
竹の葉がそれぞればらばらに揺れている。

2月2日で65歳になる。
他人の身体を、押したり、揉んだり、引っ張ったりしてなんとか食べてきた。
貯金はない。
病気になるとアウトだ。
そんなに年をくったと想わないが、
鏡で自分の顔を見ると、眉毛は白くなり、眼は窪み、頬は垂れ、
鼻のよこには縦皺がくっきりと走っている。
醜悪な容貌だ。

後何年生きられるのだろうかと、ふと想うときがある。
何歳でどんな病名を付けられて死ぬのだろう。
食生活が不規則なせいか、今朝胃が痛くて眼がさめた。
慢性胃炎という病名がついている。
初めて胃カメラをいれられた結果だ。
肺カメラも入れられたことがある。

新聞の死亡欄に、12月に来ていた人の名前が載っていました。
73歳、女性、右肩が挙がらないといってきていた。
車を運転してきて、元気そうだったのに、
何か持病があったのだろうか

死因はなんだったんだろう。

2013/01/25