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パラン・パラン(スエナリ)

第266回 ロマ音楽

ロマ(ジプシー)
インド北西部(ラジャスターン)を発祥地としての漂白の民。
ロマニ語に属し、インド・アーリア語に属し、
10世紀ころ西アジアに進出、エジプト、北アフリカを経てイベリア半島。
11~14世紀小アジアからバルカン半島に移動し、
15世紀初めにイタリア、ドイツ、フランス
16世紀に入ると、イギリス諸島に達する。

さらに、この漂白の民は過去1世紀の間に
新大陸アメリカ合衆国、チリー、ペルー、
そして、オーストラリアにまで渡っている。
今日ロマは500万人以上と推定される。

ジプシーは古来から、歌舞音曲、鍛冶、占い、馬のの飼育、及び鑑定に
長じ、その特技と非ジプシーの社会に縛られず、
自由奔放に生き誇り高いさゆえに
他の人々からは特殊な存在とみなされ差別された。

ハンガリーやルーマニアのいわゆるジプシーバンドがある。
ハンガリーでは18世紀の中ごろから、
バイオリン、コントラバス、ツインバロム、という編成の今日のジプシーバンドが
出来た。
これに随時クラリネットを加えたり、弓奏楽器を加えたりする。
高度の演奏技法を得意とし、独特の激しい気質を特徴とする
演奏スタイルによってチャルダーシュ等の舞曲を流行させた。

バルカン諸国、トルコ、カフカス、西アジア一帯で祭りや結婚式、割礼の祝いに
不可欠な舞踊の演奏に使われる。

スペインのアンダルシア地方、フラメンコはジプシー音楽の影響が濃い。

三年前の正月,
マケドニアのスコピエのホテルで,
テレビの歌番組を見てました。
正月特番だったのでしょう。
年配の男女の歌手が歌っておりました。
若いのはいません。

そのなかで、イケメンの長髪の男の歌声は今も
耳に残っています。
その、内臓から搾り出すような、ほとばしりでるような歌声、
悲しみとやるせなさが迫ってくる。
全身歌っていました。
その姿いまも残っています。

参考図書
世界音楽事典

2012/06/09