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パラン・パラン(スエナリ)

第233回 蜘蛛の糸

ようやく、蝉が喧しく啼くようになりました。
玄関やベランダに、蝉が仰向けに転がっています。

洗濯物を取り入れている特、
洗濯竿を支えるステンレスの柱の先の
又部分に白い蜘蛛の糸がついています。
それは、左中空に走っているのです。

目で追おうと、白い糸が斜めに、
屋根の雨どいの受け金具に向かって
ピーンと直線的に走っています。
陽に輝いています。
そこまでは、3メートルはあります。
中指で触って、弾いてみると、弾力があります。
かなり、強いです。

その雨どい下の、梅の枝にも白い糸が下がって、
夏の大三角を作っています。
中央部分に、細い脚をした黄色い蜘蛛がいます。
獲物を捕る、網造り途上なのです。
いったい、自分の身長の何倍の長さの糸を
飛ばして網を張っているのでしょうか。
おもしろいです。
不思議です。

蜘蛛の糸は蚕の糸より強いそうです。
蚕のようには飼育できないため、
蜘蛛の糸は製品化されないのです。

松ノ木の下に張った網に、
蝉が引っかかっています。
羽をうごかし、脚をけっていますが、網から逃げることはできません。
何時間後に行って見ると、
蝉は頭を下に、逆さまになって、ぶら下がっています。
その重みで、網は下にひっぱられて、いびつになっています。

網の中央には、黒地に黄色の縞模様のジョロウクモが
前脚と後脚を、広げて大の字なってじっとしています。
微動だにしません。

日の中は暑いため動かないのでしょうか、
かれらは、脚にかけた糸の振動で
獲物が、かかったのは知っているのです。

「クモはみんな、ほかの動物、主に虫を殺して食べます。
まず、するどいきばをえものにさして毒を送りこみ、動けなくします。
それから、えものの体の中をどろどろにとかす消化液入れて、
そのどろどろになったものを口で吸うのです。」

参考図書 ふしぎいっぱい クモ  アレキサンドラ・パーソンズ
       ブックローン出版   P4

2011/08/12