戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> パラン・パラン(スエナリ)

パラン・パラン(スエナリ)

第217回 牡鹿半島

398号線から、おしかコバルトラインに入る。
曲がりくねった山道はところどころに亀裂が走っている。
支倉常長慶長使節団出港地を左に見て
進むと、路肩が崩れていたり、
道路の真ん中に亀裂が走っている度合いが
おおくなる。

天気は快晴、春風が吹いている。
遠目に見ると入り江は何事も無かったかのように
海は静で青い。

海岸に下りていくと、海沿には家は無い。
残骸が残っているだけだ。
土台が砂に埋もれている。
萩浜、大原浜
高台の小学校が避難所になっている。
道路にはほとんど人がいない。
おばちゃんが二人笑顔で立話してる。

高い木の枝にブイや魚籠がぶら下がって風にゆれてる。
鮎川港に向かって下りて行く途中の
高台の家の屋根に
津波で流された屋根が乗ってるのです。
パトカーが停まって、警察官がカメラを構えている。

鮎川港は鉄骨の柱を残して、
残骸と化しています。

金華山、 網地島行きの乗り場は1m以上沈下してる。
海面すれすれで波がひたひたしてる。
去年クジラ定食を食べたレストランは
鉄骨だけになって、看板がひんまがっている。
空き地で自衛隊員がトラックのタイヤを交換してる。

多賀城から来きたと云うおじさんは港を撮影している。
鮎川生まれだそうだ。
小学校までいたとか。
弟に写真を送ってやるのだと言っている。

地震から二週間この半島は
陸の孤島状態だったそうです。

2011/04/21