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パラン・パラン(スエナリ)

第172回 国境を歩いて

国境を歩いて通過すること

25歳の秋、テッサロニキから先の国境の町で
汽車降りて、検問所からトルコ側の検問所までの
100メーター程の小道を歩いて渡りました。
周りは潅木の林でした。

人の往来が少ないなのか、苔むしていました。
トルコ側では土嚢の上に機関銃を据えた兵士が
いました。
手続きを終えて、外に出ると、
おばちゃん達が、たくさんの買い物袋を提げて待っていて、
バスに乗り込もうとしています。
イスタンブール行きのバスです。

テッサロニキの駅の構内で、一緒になった男は
2年ほど、あちこっち周っていました。
これから、ベオグラードに行くといってました。

チモールからダーウインに渡り、オーストラリアを
シドニーまで南下。
そこで、アルバイトして、ハワイ経由でアメリカへ
それから、ブラジルまで行ったそうです。
アマゾンのマナウスやベレンが、よかったと言うのです。

さんざん吹き込まれて、自分もその気なったのでした。
が、シンガポール止まりでした。
疲れたのです。
いや、怖気ついたのです。

2010/08/10