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アジアに魅せられて(おにぎりパクリ)

第12回 子育て③ 早期教育

早期教育に関する考え方の紹介として有名な本に
井深 大さんの「幼稚園では遅すぎる」という本が
あります。

この本では、兎に角3歳、つまり幼稚園までに
さまざまな刺激を与えたか否かによって、その後の
発達具合が大きく異なってくることを指摘しています。

ちなみに、ジツコスセデイックさんの「胎児は皆天才だ」
という本では、胎児の間に本を読み聞かせ、音楽、更には
勉強を親がすることで、子供の発育が非常に早く、実際に
10歳で大学教育を受ける水準になった自らの子育て体験を
記述しています。

私も様々な刺激を幼児のうちから与えることに異論はない
のですが、一方この早期教育といいとされている小学校を
結びつけ、いつの間にか幼児教育が受験勉強に摩り替わって
いるケースがままある気がするのですが、これに対しては
大変な疑問があります。

日本代表の選手である長友選手や本田選手のコメントを
読んでも、あるいは、野球の松井選手や経営者でいうと
本田総一郎さんなどの自伝を読んでも、成功者の親が
子供の人生を決めている様子はありません。

成功の定義はビジネス、スポーツ、芸術家、思想家など
考え方は幅広くありますが、いずれにせよ世の中で
活躍する人間が強く持っているものは「自走力」です。
自らが感じ、考えた課題を調べ、行動に取り入れていくことです。

この力は、世の中のルールの中で決められたことを
やることで身につくものではなく、自らがいかに興味を
持ったことを掘り下げられるかという力を身につけることです。

親が出来ることは子供が興味を持ったものに対して、如何に
深く掘り下げた環境を提供できるかかと思います。

子育てをするにあたって何を望むのか。子供は子供の育つ
ようにしか育たない、出来て子供の進む方向性をより豊か
にするよう補助する。

これが子育ての原点と認識することから考えざるを得ないと
私は思っています。

2011/06/12