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アジアに魅せられて(おにぎりパクリ)

第5回 現地語の重要性

私がフィリピンで仕事をしていた時、公用語となる英語が話せれば
ある一定レベルの知識層との仕事上の付き合いは何とかやり過ごせ
ました。しかし、ここに大きな落とし穴があります。

現地に行って、まず重要なことは、現地の人に受け入れられることです。
その為には母国語が出来ることがまず第一歩です。

我々日本人としても、日本に住んでいながら英語しか話さない外国人とは
なかなか親しくならないですね。やっぱりその国の言葉を話せることが
現地の人との意思疎通を図る上で格段の進歩に繫がりますし、自分が
現地との付き合いを重視していることが伝わります。

かつて、邱 永漢さんが元気、やる気、気分、気合、気が利くなど日本語
で良く使われる「気」という言葉に着目し、日本人が心の文化を持ち、
サービス精神が高いと分析していました。

語学を勉強したからといって邱さん程の知見を持てるかは別ですが、
現地を理解する上で、夫々の国民の気質によって特徴が出る言語を勉強
することが如何に大切か身にしみて感じます。

今、日本人が中国に出張する際、英語で会話することがありますが、
アジア人同士が英語によって意思疎通を図るのは、何だか変ですよね。

尚、余談ですが当時ご多分に漏れず、私達はプライベートで日本人駐在員
との付き合いを優先させていました。

しかし、日本に戻って反省することは、あの時フィリピン人との家族ぐるみの
付き合いをもっとしておけば、その国と深く長期的な関係を築け、自分達家族
の環境が更に豊かになったのではないかと感じることです。

2011/02/06