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本当に面白い簿記・会計(おにぎりパクリ)

第13回 金融業に何が起こった?

最近邱先生がしきりに銀行業に対する疑問を投げかけられています。

2001年に出版された本「銀行と付き合わない法」では、
日本の銀行が商売をしている者に対して、
事業が好調の時はお金を貸すが、不調になったときに
融資を止める傾向にあること。特に銀行が規模の
経済を求めて出してから、地道に行ってきた融資審査が
おざなりとなり、企業を査定できなくなったこと。
結果として中小企業に貸さずに、債券購入やアメリカの金融機関に
お金を貸す安易な道に走ったことを挙げていました。

また、最近では、更にM&Aの片棒を担いだり、金で金を産む
商品開発を考えたりするビジネスに乗り出すべきではないと
主張しています。

特に、世界経済の状況を踏まえて書いた「マネーゲーム敗れたり」
という本では、アメリカ政府がオイルショック時にドルを
発行し続けたことでオイル・マネーが膨れ上がったこと、
そして相変わらず貿易赤字、財政赤字を抱えていながら、
米ドル発行、借金を重ねるといった政策を繰り返している
ことでその莫大な遊資が世界を駆け巡っていること、
そしてそのお金を集めたアメリカの金融機関がアジアの発展途上国
への急激な資本投入と経済の崩壊を導いたことを記述しています。

邱先生がしきりと警鐘を鳴らす金融業の変貌とは何か。
アメリカでは一体何が起こっていたのか。今回はこれを
素人なりに研究してみようと考えました。

NHKスペシャルで放送された1997年の「マネー革命」では、
金融工学の発達によってデリヴァテイブ商品の開発が進んだことを
記述しています。

つまり、約束の日時に約束価格で商品を売買する権利を差す
「オプション」の値段を簡単に割り出すことが可能になったことが
金融工学の大きな飛躍に繋がったそうです。
この論理を構築したのが、アメリカの経済学者、
フィッシャー・ブラック、マイロン・ショールズ、そして
ロバート・マーロン博士で、その数式名はブラック・ショールズ式と
呼ばれています。

この数式の解説を読むと、将来の価値を過去の価格の
「変動率」の大きさによって算出することで、その変動率を
権利受け取り価格(オプション)として決定するというもののようです。

この理論が確立された時代、1970年代はドルと金の兌換が不可能になり、
世界の通貨が市場の手に委ねられたことで、価格が激しく
変動し経済行為が大きなリスクにさらされるようになったため
そのリスクをいかにしてヘッジするかが大きな命題で
あったという時代背景でした。

特に株式相場の下落、金利率の上昇、石油製品等
インフレ、ドル通貨の下落等の不透明な時代にリスクを管理するには
便利な商品となるオプションが開発されたようなのです。

2009/08/03