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本当に面白い簿記・会計(おにぎりパクリ)

第6回 数字を見たらその動きに注目!

経理・財務部は勘定科目や会計ルールに精通し仕訳を行う
必要がありますが、経営者を含めた一般の方は
大きな視点で物事を考えればいいと思います。

まず、基本ははじめの残高が増えたり、減ったりして最後に残る残高、
この一連の動きを把握することです。

例えば現金で言えば、手許にお金が20万円あり、
会社から20万円の給料を貰いました。そのお金で
10万円のテレビを買ったといったら、20+20-10=30万円が残ります。
この動きを現金や商品などの資産の動きだけではなく、
売上や費用、負債、資本でも「残・増・減・残」が
行われるのが経営、その結果として売上や費用の結果
としての残が損益計算書(P/L)に、資産、負債、資本の
増減の結果が貸借対照表(B/S)に表示されます。

この時、会社の経営の中で、重要なのは、月末や年度末の
結果を見るだけではなく、日々、週、月次単位で
行っている増減の動きに着目することです。

例えば機首に現金が100万円残っていたものが、
期末に50万円になっているとしますね。
その背景には、売上代金の回収が40万円あり、一方で
残っていた借入金90万円を全額返したとします。
期末残高だけを見ると現金が100万円から50万円に
減ったように見えますが、その背景には順調に
売上代金を回収し、借金が完済したという事実が残っています。

従って、この動きを見ることが経営にとって重要なことなのです。

企業にとっても家計にとっても、売上・利益を増やして
多くすることが重要です。

すなわち、収益(売上)を増やし、費用を減らして少なくする
ことが大切です。しかし、経営では、単純に売上の増がよくて減が
悪いとは限らないし、費用の減の方で経営に手をつけること
がよければより減らせばよいのです。

例えば、商品が売れない時には在庫を大きく減らし、
商品が売れるときにはすぐに増やすのが経営です。

最近の鉄鋼産業が生産を3-4割減らすと言っているのも、
景気が悪化し、在庫が積みあがっているからそれを
一生懸命減らし、借入を減らす動きになっていることを
見ても分かりますね。

家計を見ても、会社の業績が悪化し、収入が下がるといった時、
子供の教育費を減らしはしないが、外食費をとことん
切り詰めるだとか、収入も会社以外からも入るように
多角化するなど、外部の状況に応じて対策を
打ちますが、その考え方は色々とありますね。

この時に重要なのは、結果だけ見るのではなく、その実行
した考え方と増減の動きです。

言われてみれば当たり前の話ですね。

2009/02/13